人間(読み)にんげん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

人間
にんげん

文芸雑誌。 (1) 1919年 11月~22年6月。4巻 24冊。里見 弴,久米正雄吉井勇らを中心に,『スバル』『白樺』などの作家が協力,同人誌として創刊されたが,人脈をたどって広く執筆者を求め,総合文芸誌としての性格が強かった。山本有三の『生命の冠』,長田秀雄の『大仏開眼』など戯曲に力作が多く,また随筆を数多く掲載し,このジャンルの確立に寄与した。 (2) 1946年1月~51年8月。6巻 68冊,別冊3冊。川端康成,久米正雄,里見 弴,高見順ら,鎌倉在住の作家が創立した出版社鎌倉文庫から創刊された。島木健作の『赤蛙』,上林暁の『聖ヨハネ病院にて』,堀田善衛の『広場の孤独』など,戦後文学を飾る名作が多く掲載され,また,大河内一男林健太郎矢内原伊作らを起用したアカデミックな評論による思想問題の追究にも特色があった。

人間
にんげん

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デジタル大辞泉の解説

じん‐かん【人間】

人の住んでいる世界。世間。にんげん。
「老人に身をやつしまして暫く―に住んでおりました」〈中勘助・鳥の物語〉

にん‐げん【人間】

ひと。人類。「人間の歴史」
ある特定の個人。ひと。「私という人間」「東北の人間」「社の人間
人柄。また、人格。人物。「人間がいい」「人間ができている」
人の住む世界。人間界。世の中。じんかん。
「―五十年下天のうちをくらぶれば」〈幸若・敦盛
[補説]書名別項。→人間

ひと‐あい〔‐あひ〕【人間】

人づきあい。交際。
「―、心様、優に情けありければ」〈平家・八〉

ひと‐ま【人間】

人のいない間。人の気づかぬすき。
「―にも月を見ては、いみじく泣き給ふ」〈竹取
人との交わりが絶えること。
「少し契りのさはりある、―をまことと思ひけるか」〈謡・女郎花

にんげん【人間】[書名]

文芸雑誌。昭和21年(1946)久米正雄川端康成らにより創刊、昭和26年(1951)廃刊。短期ながら戦後の日本文学発展に大きな役割を果たした。

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とっさの日本語便利帳の解説

人間

日本では人、人がら。中国ではこの世、世間、俗世

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

にんげん【人間】

1946年1月鎌倉文庫から発行された月刊文芸雑誌。大正期,里見弴,久米正雄らが発刊した同人雑誌《人間》の誌名を踏襲して創刊。戦時中,久米正雄,川端康成,高見順ら鎌倉在住の作家が蔵書を持ち寄り開業した貸本屋が鎌倉文庫の前身で,第2次大戦後,製紙会社と提携して出版社となり,社を東京に移して一時活発な出版活動を行った。とくに木村徳三を編集長とする《人間》は,多くの新人に舞台を提供して戦後文学の生誕に大きな役割を果たした。

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大辞林 第三版の解説

じんかん【人間】

〔「ジン」 「カン」ともに漢音〕
人の住む世界。世間。にんげん。 「 -に流行する欺詐ぎさ術策の容体なり/学問ノススメ 諭吉

にんげん【人間】

〔「にん」 「けん」ともに呉音〕
(機械・動植物・木石などにはない、一定の感情・理性・人格を有する)ひと。人類。
(ある個人の)品位・人柄。人物。 「なかなかの-だ」 「あの人は-ができている」
人の住む世界。世間。世の中。じんかん。 「わがすることを-にほめあがむるだに興ある事にてこそあれ/大鏡 実頼」 〔が原義で、現代中国語でも「俗世間」の意。日本では、中世末から近世にかけて「ひと」そのものをあらわすようになった〕

ひとま【人間】

人のいないすき。人が見ていない間。 「 -守り葦垣越しに我妹子を相見しからに言そさだ多き/万葉集 2576
人が訪れないこと。 「少し契りのさはりある-をまことと思ひけるか/謡曲・女郎花」

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精選版 日本国語大辞典の解説

じん‐かん【人間】

〘名〙 人の住む世界。現世。世間。
※続日本紀‐天平勝宝八年(756)五月丙子「禅師即誓、永絶人間、侍於山陵、転読大乗、奉冥路」 〔韓非子‐解老〕

にん‐げん【人間】

[1] 〘名〙
① 仏語。六道の一つ。人の住む界域。人間界。人界。人間道。→じんかん
※観智院本三宝絵(984)下「人間はくさくけがらはし。まさによき香をたくべし」 〔法華経‐法師品〕
② 人界に住むもの。ひと。人類。
※今昔(1120頃か)五「天人は目不瞬かず、人間は目瞬く」
③ 人倫の道を堅持する生真面目な人。堅物。
※雑俳・続折句袋(1780)「人間で一生仕廻ふ不器量さ」
④ 見どころのある人。人物。人柄。
[2]
[一] 文芸雑誌。玄文社、のち人間社発行。里見弴、久米正雄、吉井勇、田中純らによって大正八年(一九一九)一一月創刊され、当時の社会主義的風潮に対し、人間の個性、趣味などを重視する編集傾向を示した。大正一一年六月廃刊。
[二] 文芸雑誌。鎌倉文庫、のち目黒書店発行。久米正雄、川端康成、高見順らが中心となり昭和二一年(一九四六)一月創刊。第二次世界大戦後の日本近代文学の復活と新進作家紹介に貢献した。昭和二六年八月廃刊。

ひと‐あい ‥あひ【人間・人愛アイ

〘名〙 人づきあい。人に対する愛想。
※平家(13C前)八「人あひ心ざまゆうに情ありければ」

ひと‐ま【人間】

〘名〙
① 人のいない時。人気(ひとけ)のない間。人目のないすき。
※書紀(720)皇極二年一一月(岩崎本訓)「間(ヒトマ)を得て、逃出でて」
② 転じて、間が絶えること。人との交わりがとだえること。
※光悦本謡曲・女郎花(1505頃)「彼の頼風に契りをこめしに、少し契りの障りある、人まを誠と思ひけるか」

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