許嫁・言名付(読み)いいなずけ

精選版 日本国語大辞典 「許嫁・言名付」の意味・読み・例文・類語

いい‐なずけ いひなづけ【許嫁・言名付】

〘名〙 (動詞「いいなずける(言名付)」の連用形の名詞化)
① (━する) 双方の親同士で、幼いうちから子どもの結婚を約束しておくこと。〔羅葡日辞書(1595)〕
※俳諧・独吟一日千句(1675)第一〇「草ふかき所ながらも云名付 両方ともに同し思ひじゃ」
② 親同士の意見で、幼い時から婚約している男女。また、夫あるいは妻になると決まった人。婚約者。フィアンセ
※伊勢物語愚見抄(再稿本)(1474)上「おさなき時よりいひなつけのやうにあれば」
浄瑠璃新版歌祭文(お染久松)(1780)野崎村「言号(イイナヅケ)の娘御と女夫(めうと)になりたい心じゃの」
[語誌]動詞イヒナヅクの原義未詳。婚約の慣例が生じイヒナヅケという語が用いられはじめたのは、中世以降のことで、上流武家において、嫁入り婚が男性支配型の婚姻として成立したころからと推測される。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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