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超音波検査法

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栄養・生化学辞典の解説

超音波検査法

 超音波を利用して体内の臓器の構造や物体の動きを知る方法.

出典|朝倉書店
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

超音波検査法
ちょうおんぱけんさほう

人間の可聴域(20~2万ヘルツ)より周波数が高い超音波を生体内に発信し、音響的に性質の異なる境界面から戻ってくる反射波(エコー)を分析して生体の内部構造や血流の分布状態を画像化する検査法。超音波像の位置情報は反射波が戻ってくるまでの時間から、深さ方向の位置をもとめ、超音波ビームを生体に対して移動させて横方向の位置を決めている。[大友 邦]

特徴

医学的に利用されている超音波は生体に対して無害で、X線被曝(ひばく)が不安の原因となりうる胎児の検査にも広く用いられている。X線CT、核医学検査に比べて装置が小型かつ安価で検査料も安いため、集団検診等のスクリーニング検査に適している。超音波は液体や固体中はよく伝わり、気体中は伝わりにくい。生体内では軟部組織中はよく伝わり、消化管や肺のガスや骨があると反射・散乱されてほとんど伝わらない。したがって骨やガスの奥にある領域を検査することはできない。超音波検査ではパルス状の超音波を繰り返し送受信しながら1秒間に50コマ程度の画像が連続的に再構成されている。このリアルタイム表示の長所は超音波誘導下の各種穿刺(せんし)術時に生かされている。検査部位や目的に合わせて、形状や発信する超音波の波長が異なる多彩な深触子が開発されている。[大友 邦]

分類

組織の断層像を得る断層法と、脈管内の血流を測定するドップラー法に大別される。通常超音波検査または超音波像という言葉は断層法または断層像をさす。
(1)超音波断層法 Aモード(amplitude mode)はモニターの縦軸に反射波であるエコーの強さを高さ(amplitude)で、横軸にそのエコーが生じる境界面までの距離を表示する方法で、主として眼科領域で用いられている。Bモード(brightness mode)は超音波が発信される向きとは別の向きに超音波の発信源を移動させ、得られたエコーの強さを輝度に変換し、超音波が進む方向と平行な断面でのエコーの分布と輝度の2次元像を得る方法である。3.5~5メガヘルツの周波数の探触子が用いられ超音波検査の主力となっている。Bモード断層像で穿刺部位と穿刺針を捉えながら施行する超音波誘導下穿刺術は安全性が高く、閉塞(へいそく)性黄疸(おうだん)症例に対する経皮経肝的胆管(たんかん)ドレナージ術(percutaneous transhepatic choledochal drainage,PTCD)、小肝細胞癌(がん)に対する経皮的アルコール注入療法(percutaneous ethanol injection therapy,PEIT)、膿瘍(のうよう)に対する穿刺ドレナージ術などに広く利用されている。Mモード(motion mode)はモニターの横軸に時間をとりBモードの画像のある部分の動きの時間的な変化を波形として表示する方法で、心臓の心室や弁膜の動きを観察するのに活用されている。超音波断層像の表示に用いられている白黒の階調はグレースケールとよばれ生体内の臓器組織の解剖学的、病理組織学的情報を反映したエコー信号の強さと分布の画像化が可能である。
(2)超音波ドップラー法 脈管や組織に超音波を発信し、血流内の血球成分により引き起こされるドップラー効果を利用して血流の速度や方向を測定する方法。このうち連続波ドップラー法は送信と受信を別に行いながら、連続的にドップラー信号を採集する方法で、超音波ビームの走行に沿って存在するすべての血流を検出測定できるが、位置情報は含まれていない。以前は妊婦の腹壁を通して胎児心音を確認するのに用いられていた。Bモードの超音波断層像上のある超音波ビーム軸上の最大血流を測定する場合に利用される。パルス・ドップラー法は連続波のかわりに超音波をパルス状に発信することにより、生体内の任意の深さの血流測定を可能にした方法である。実際にはBモードの超音波断層像から測定したい部位を選択し、その部分から得られた信号を高速フーリエ変換し、横軸を時間、縦軸を流速としたスペクトル表示する。カラー・ドップラー法はレーダーの原理であるmoving target indicator(MTI)の技術により、超音波ビーム軸上の多数の点における平均血流速度とそのばらつき(分散)をきわめて短時間に計算し、BモードまたはMモードの超音波断層像に重ね合わせてカラー表示する。一般的には血流方向は赤と青で(探触子に近づくものは赤色系、遠ざかるものは青色系)、血流の大きさは輝度(早い血流ほど明るく)で表している。血流の絶対値を表示したパワー・ドップラー法により細かい血管の血流に関する情報が得られる。[大友 邦]

装置の概要

超音波検査装置は生体に密着させて超音波を発信し、生体から戻ってくる反射波であるエコーを受信する探触子と、画像を再構成するために必要な機構、モニター画面と操作パネルを備えた本体から構成されている。本体に2~3本の探触子を接続することが可能で、パネルのスイッチ操作によりB、Mモードの断層法から、パルス・ドップラー法およびカラー・ドップラー法に切り替えることができる。[大友 邦]

特殊な超音波検査

高周波数の超音波ビームを用いれば超音波検査の空間分解能を向上させることができる。そこで探触子を目的とする臓器になるべく近づけて、7.5メガヘルツ以上の高周波数の超音波を用いてより詳細な画像を得るために、前立腺(せん)、膀胱(ぼうこう)を対象とする経直腸的超音波検査、産婦人科領域の経膣(ちつ)的超音波検査、消化管や膵臓(すいぞう)などを対象とする超音波内視鏡検査などの体腔(たいくう)内超音波検査が施行されている。とくに通常の内視鏡の生検チャンネルから挿入可能な細い探触子が開発され、超音波内視鏡は内視鏡検査のルーチン手技の一つになりつつある。体腔内超音波と同じ考え方で、手術時に各種の臓器組織の表面に直接小型の探触子をあてる術中超音波検査も普及している。体表からの検査では検出できない小さい病変の検出や術野深部の状態の把握に有用である。探触子を血管内に直接挿入して画像を得る血管内超音波は、血管壁の状態について詳細な情報を与えてくれる検査法で、径が2ミリメートル以下の細い探触子(周波数は10~30メガヘルツ)の開発により冠動脈内の超音波検査も可能となっている。コントラストエコー法はガスが超音波をほとんど反射して強いエコーを生じる性質を利用して、マイクロバブルを造影剤として利用する検査法である。従来は、自家血液とCO2バブルの混合物を経カテーテル的に注入しながらBモード超音波断層像を得るCO2アンギオエコー法が、肝腫瘍(しゅよう)の検出と鑑別診断のために施行されていた。最近ではガラクトースやリン脂質の膜をもったマイクロバブルが超音波用造影剤として診療に応用され、高音圧の超音波でマイクロバブルを破壊してエコーを得る方法や、低中音圧の超音波でマイクロバブルを共振させて信号を得る方法がある。[大友 邦]

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