内科学 第10版 「重複食道」の解説
重複食道(食道重複症)(先天性食道疾患)
消化管重複症は回腸に最も好発するが,ついで食道に多く,10〜15%を占めるといわれている.囊状のものがほとんどで,管状のものは少ない.病因としては上皮の食道壁内迷入と考えられており,下部食道に好発する.診断には内視鏡検査や上部消化管造影が用いられるが,造影CT検査やMRI検査にて診断されることが多くなってきている.治療は外科的摘出術で,近年は鏡視下手術の適応となることも多い.[前田貢作]
■文献
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出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報