頭勝(読み)あたまがち

精選版 日本国語大辞典 「頭勝」の意味・読み・例文・類語

あたま‐がち【頭勝】

〘名〙 (形動)
① 体のわりに頭が大きいこと。また、そのさま。頭でっかち。
※雑俳・柳多留‐五(1770)「はらがけに成ると子共はあたまがち」
② 何事でも始めは大きくて、終わりは小さくなること。また、そのさま。龍頭蛇尾。
※碧巖雷沢抄(1533)三「具眼漢は可会蛇尾にして作什て百丈余り頭(アタマ)かちなぞ」
③ 頭(ず)が高いこと。高慢なさま。おごりたかぶるさま。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※談義本・根無草(1763‐69)後「天竺(うそ)つきは、唯我独尊(ゆいがどくそん)と頭(アタマ)がちの脳味噌を上げ」
④ 前後のことを考えないで行動するさま。向こう見ず。
咄本・軽口福ゑくぼ(1720)五「あたまがちな若い者は、ちょっとしても喧嘩」
⑤ 一方だけが強いさま。
浄瑠璃今宮心中(1711頃)中「右の脈があたまがちなは、若し摺子木(すりこぎ)などは参らぬか」
⑥ 言葉の最初の音を甲高(かんだか)く発音すること。また、そのさま。
滑稽本・大千世界楽屋探(1817)上「各(おのおの)国風(くにぶり)ありて、詞は口跡甲(あとをはねる)あり、開語甲(アタマガチ)なるあり」

かしら‐がち【頭勝】

〘形動〙
① 頭の、身体全体に対する割合が普通より大きいさま。あたまでっかち。
血の気の多いさま。
※子孫鑑(1667か)上「人の生つき頭(カシラ)がちにて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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