(読み)ひだるい

精選版 日本国語大辞典 「饑」の意味・読み・例文・類語

ひ‐だる・い【饑】

〘形口〙 ひだる・し 〘形ク〙
① 空腹である。飢えてひもじい
古今著聞集(1254)一二「この一両日食物(じきもの)絶えて、術(せん)なくひだるく候ままに」
歌舞伎幼稚子敵討(1753)四「かか様、ひだるいわいのふ」
② 転じて、欲望、特に性欲がみたされないでいる。
※雑俳・柳多留‐七(1772)「あの後家はひだるかろうとおろか也」
③ からだが疲れて、力がはいらない。だるい。
※新世帯(1908)〈徳田秋声〉三二「力のない赤子啼声が聞えて、乳が乏しくて、脾弛(ヒダル)いやうな嗄れた声である」
[語誌]中世末頃に、このヒダルシの語頭音ヒにモジを添えた女房詞ヒモジが生じる。それに応じて、ヒダルシの方は次第に男性語的性格を強めていったことが考えられる。→「ひもじい」の語誌。
ひだるが・る
〘自ラ四〙
ひだる‐げ
〘形動〙
ひだる‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「饑」の意味・読み・例文・類語

き【饑】[漢字項目]

[音]キ(漢) [訓]うえる
作物が実らないで乏しい。「饑饉ききん
食糧が乏しくてひもじい。「饑餓
[補説]「」と通用する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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