高度さらし粉

世界大百科事典(旧版)内の高度さらし粉の言及

【さらし粉(晒粉)】より

…さらし粉の主成分の組成はCa(OCl)2・CaCl2・2H2Oであり,この純粋な物質の酸化作用を営む有効な塩素量は48.9%であるが,実際の工業製品にはCa(OCl)2,CaCl2,Ca(ClO3)2,H2Oからなる固溶体と消石灰が含まれるため,有効塩素量は33~38%で,日本薬局方,食品添加物およびJIS1級では,30%以上含むことと規定されている。不純物(無効成分)を除いてCa(OCl)2に近いもの(有効塩素量60%以上)は高度さらし粉として別に市販されている。さらし粉は日光の照射,温度の上昇,水および重金属の存在などにより, Ca(OCl)2・CaCl2・2H2O  ―→2CaCl2・H2O+O2のように分解し酸化作用を呈する。…

【次亜塩素酸カルシウム】より

…これは殺菌,消毒,漂白などに広く用いられる安価な強酸化剤であるが,ふつう未反応のCa(OH)2が含まれ,有効成分であるCa(ClO)2はその中の塩素量(有効塩素量)に換算して30~38%程度しかない。しかし,消石灰を水で濃い乳状にした石灰乳に塩素を吸収させると,Ca(ClO)2・3H2Oを主成分とする,さらに強い酸化剤(高度さらし粉)が得られ,有効塩素量は60~75%に達する。これをさらに精製して得た3水和物は,潮解性のある無色の針状結晶で,水に溶けて酸素を,酸に溶けて塩素を発生し,これが上の酸化作用の原因となる。…

※「高度さらし粉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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