黒不浄(読み)くろふじょう

精選版 日本国語大辞典 「黒不浄」の意味・読み・例文・類語

くろ‐ふじょう【黒不浄】

〘名〙 死者のあった場合、その関係者が受けるけがれ。

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デジタル大辞泉 「黒不浄」の意味・読み・例文・類語

くろ‐ふじょう〔‐フジヤウ〕【黒不浄】

死の汚れ。→赤不浄

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世界大百科事典(旧版)内の黒不浄の言及

【漁業】より

大漁祝(たいりよういわい)をマンイワイというが,マンは幸せとか運という意味で,不漁時にはまんなおしの儀礼を営む。死や葬儀関係のことを穢れとして黒不浄といって一般に嫌うが,一方では海上で海難者を見つけると必ず拾い上げて丁重に葬り,葬式に用いたものを豊漁の縁起物として歓迎する心意がみられる。出産や月経は赤不浄として徹底的に忌む。…

【穢】より

…記紀神話において男神伊弉諾(いざなき)が冥界で汚染した死穢を禊祓によって心身を浄化しつつアマテラス等の三貴子を産むのは女神伊弉冉(いざなみ)の死穢を契機にして生命の新しい秩序を実現したことを示す。習俗的には死穢を黒不浄,血穢を赤不浄ともいうが,赤不浄として女性の出産や月経を穢とするのも,血を忌むと斎むとの両義性の底に生命誕生の神秘を聖別すればこそであった。いわば個体生命の危機を穢と観念することが逆に全体生命の新生への契機となる。…

【産の忌】より

…出産を穢れ(けがれ)として忌む観念で,地方によってサンビ,アカビ,チブク,シラフジョウなど種々の呼び方がある。死の忌のクロフジョウ(黒不浄)に対して,血忌をいうのであるが,沿岸地方や産の忌の厳しい神社の付近などでは,死の忌より重いとしているところがある。産は穢なので,その夫も神事や神参りをしてはならなかった。…

※「黒不浄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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