鼈煮(読み)すっぽんに

精選版 日本国語大辞典 「鼈煮」の意味・読み・例文・類語

すっぽん‐に【鼈煮】

〘名〙
スッポンを煮たもの。
※日本料理通(1930)〈楽満斎太郎〉料理法の巻「すっぽん煮とは、すっぽん吸物を作るに最も適当なる味付法があり」
本来材料をスッポンの油でいためてから煮た煮物をいうが、普通はぶつ切りにした魚をたっぷりの酒と味醂醤油砂糖で味濃く煮て、しょうが汁を落とした煮物。スッポンの味をしのばせるところからいう。すっぽんもどき。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)四「御てい主のすっぽん煮はないかな」
歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)六立「葱に鮪のすっぽん煮、こいつは呑めるわい」

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デジタル大辞泉 「鼈煮」の意味・読み・例文・類語

すっぽん‐に【×鼈煮】

スッポンを煮たもの。
スッポンの味に似せた料理。ぶつ切りにしたコチナマズなどの魚を、酒を用いた濃いたれで煮てしょうが汁を落としたもの。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「鼈煮」の解説

すっぽんに【鼈煮】

①すっぽんをおろして油で炒め、酒・しょうゆ・みりん・砂糖などでこってりと煮た料理。
②なまず・赤えいなどをささがきにしたごぼうとともに酒・しょうゆ・みりん・砂糖などでこってりと煮た料理。
すっぽん仕立て要領で、多量の酒を用いて作る煮物。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

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