2ボックスカー(読み)つーぼっくすかー(その他表記)two box car

日本大百科全書(ニッポニカ) 「2ボックスカー」の意味・わかりやすい解説

2ボックスカー
つーぼっくすかー
two box car

実用的な乗用車の車体型式の一つ。従来の一般的なセダン型式は、前方のエンジン部分、中央の客室部分、後方トランク(荷物入れ)部分の三つの箱からなる3(スリー)ボックス型であった。これに対して後部のトランクスペースを客室後方に含めて二つの箱としたものをいう。3ボックス型のトランクリッド(トランクの蓋(ふた))のかわりに、通常リアウインドーまで一体となって上に開く大きなハッチをもち、ハッチバックセダンともよばれる。

 1960年代に入って小型車に前輪駆動方式が普及し始めると、プロペラシャフトディファレンシャルギヤがなく、床を低く平らにできる利点を生かして多用途性をもたせられるので、急速に普及した。3ボックスに比べるとトランクスペースはやや小さめだが、後席を畳めば広い荷物室になり、用途は広い。ただし遮音性とボディー剛性では3ボックスに劣り、またエアコン使用中に荷物の積み下ろしなどで後部ハッチを開けると、暖気冷気が逃げてしまう弱点もある。そのため最近の前輪駆動小型実用車では、2ボックスを基本にしながら、別に3ボックス型を設けるものもある。

[高島鎮雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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