知恵蔵 「Hyper-V」の解説
Hyper-V
仮想マシンソフトウェアには、「ホストOS型」と「ハイパーバイザー型」の2タイプがある。ホストOS型では、コンピューターにインストールされているメインのOSを「ホストOS」と呼び、ホストOS上に仮想マシンソフトウェアをインストールして、複数OSの利用を実現させる。ハイパーバイザー型では、メインOSを必要とせず、OSが起動する前の部分に仮想環境をサポートするハイパーバイザーと呼ばれるプログラムを用意して、ハイパーバイザー上で複数のOSを動作させる。
Hyper-Vは、ハイパーバイザー型のソフトウェアで、Windows Server 2008以降のマイクロソフト社のサーバーOSに搭載されており、Hyper-Vを利用すれば、Windows NT ServerからServer2012に至る各種Windows Server OSや、XP、Vista、7、8などのクライアントOSの他に、Red HatやSentOSなどのLinux系OSを複数実行させることが可能となる。
また、サーバーでなく、一般的なパソコンで複数のOSを動作させたい場合、Windows XP、VistaやWindows 7では、ホストOS型の「Windows Virtual PC」という仮想マシンソフトウェアを利用していたが、Windows 8からは、Virtual PCに代わって、「クライアントHyper-V」と呼ばれる無償のHyper-Vが採用された。ただし、クライアントHyper-Vの利用は、64ビットCPUのコンピューターで、64ビット版のWindows 8 ProやEnterpriseを搭載している場合に限られており、更に、全ての64ビットCPUで動作するわけではないため、注意が必要である。
ちなみにクライアントHyper-Vと競合する無償のソフトウェアは、VMware社の「VMware Player」、オラクル社の「Virtual BOX」などがある。
(横田一輝 ICTディレクター / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報