Hyper-V(読み)はいぱーぶい

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

「Windows Server 2008」の一部として、2008年6月に「Windows Server 2008 Hyper-V」として正式リリースされた、マイクロソフトのサーバー向け仮想化プラットフォーム。従来のサーバー向け仮想環境「Virtual Server 2005」やデスクトップ向けの「Virtual PC 2007」と異なり、Hyper-Vでは、「Windows Hypervisor」と呼ばれる新たなレイヤー上でゲストOS(Windows Server 2003)やWindows Server 2008自身が動作するハイパーバイザーアーキテクチャーを採用している。ハイパーバーザー型の仮想環境を実現するのが、インテルの「Intel VT」やAMDの「AMD-V」といった、CPUに新設された仮想化支援機構であり、言い換えれば、支援機構とHyper-Vが従来のホストOSの代替となっている。Hyper-Vのメリットは、CPUメーカーのうたう仮想化支援機構そのものであり、仮想環境の切り替えにオーバーヘッドが生じず、高速に処理できる点。また、従来製品に比べ、8コアまでのCPU、32GBのメモリー割り当てがサポートされる。さらに、同様のハイパーバイザーアーキテクチャーを採用するOxenとも相互運用の提携をしている。

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知恵蔵の解説

マイクロソフト社が提供する、複数のOSを実行させるための仮想マシンソフトウェア
仮想マシンソフトウェアには、「ホストOS型」と「ハイパーバイザー型」の2タイプがある。ホストOS型では、コンピューターにインストールされているメインのOSを「ホストOS」と呼び、ホストOS上に仮想マシンソフトウェアをインストールして、複数OSの利用を実現させる。ハイパーバイザー型では、メインOSを必要とせず、OSが起動する前の部分に仮想環境をサポートするハイパーバイザーと呼ばれるプログラムを用意して、ハイパーバイザー上で複数のOSを動作させる。
Hyper-Vは、ハイパーバイザー型のソフトウェアで、Windows Server 2008以降のマイクロソフト社のサーバーOSに搭載されており、Hyper-Vを利用すれば、Windows NT ServerからServer2012に至る各種Windows Server OSや、XP、Vista、7、8などのクライアントOSの他に、Red HatやSentOSなどのLinux系OSを複数実行させることが可能となる。
また、サーバーでなく、一般的なパソコンで複数のOSを動作させたい場合、Windows XP、VistaやWindows 7では、ホストOS型の「Windows Virtual PC」という仮想マシンソフトウェアを利用していたが、Windows 8からは、Virtual PCに代わって、「クライアントHyper-V」と呼ばれる無償のHyper-Vが採用された。ただし、クライアントHyper-Vの利用は、64ビットCPUのコンピューターで、64ビット版のWindows 8 ProやEnterpriseを搭載している場合に限られており、更に、全ての64ビットCPUで動作するわけではないため、注意が必要である。
ちなみにクライアントHyper-Vと競合する無償のソフトウェアは、VMware社の「VMware Player」、オラクル社の「Virtual BOX」などがある。

(横田一輝  ICTディレクター / 2013年)

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