日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーバー」の意味・わかりやすい解説
サーバー
さーばー
server
コンピュータ・ネットワークで、他のコンピュータやプログラムからのリクエストに応じて作業を行うコンピュータやプログラム。それぞれサーバーコンピュータ(マシン)、サーバープログラムなどともよばれる。データの蓄積や処理、ネットワークの中継や管理など、さまざまな作業を行う。サービスを提供する側であるためサーバーとよび、リクエストする側をクライアントclientという。ユーザーがクライアントを操作して出した要求が、ネットワークなどを介してサーバーに送られる。サーバーはそれに応じて各種の処理を行い、その結果をクライアントに戻す。このシステムを、クライアント・サーバーシステムという。
一般的に、1台のサーバーを複数のクライアントで利用する。用途としては、メールの送受信を行うメールサーバー、ウェブページを管理するウェブサーバー、IPアドレスを管理するDNSサーバー、FTPでファイル転送を行うFTPサーバー、ファイルやデータを共有するためのファイルサーバー、データベースを管理するデータベースサーバー、データベース管理システム(DBMS)などと連携して業務処理を行うウェブアプリケーションサーバー、プリンターを制御して複数のユーザーで利用できるようにするプリントサーバーなどがある。それぞれの機能ごとにサーバーを構築するものが多いが、一つのサーバーで複数の機能をもつもの、逆に複数の装置を利用して一つの機能を分散処理する場合もある。利用環境も、ユーザー自身がサーバーを管理するオンプレミス、サーバーのリソースをレンタルするホスティングサービス、必要に応じて機能を利用するクラウドサービスなどから選べる。
[黒川武広]