世界大百科事典(旧版)内のMithraの言及
【インド神話】より
… バルナと不可分の関係にあるミトラは契約の神である。ミトラに対応するゾロアスター教のミスラMithraは軍神,雨神,光明神などの様相をとる。このミスラは中近東方面に遠征したローマ軍兵士の信仰を受け,紀元後初頭のローマ帝国で広く崇拝された。…
【ミトラ】より
…次に古い史料は前14世紀の〈ボアズキョイ文書〉であり,そこではヒッタイト人とミタンニ人の盟約の神として現れる。イラン人の聖典アベスターではミトラMithraと呼ばれるが,《ミトラ賛歌(ミフル・ヤシュト)》において,〈死からの救い主〉〈祝福を与える者〉〈勝利者〉〈戦士〉〈牧場の主〉などと称される。ゾロアスターの宗教改革では最高神アフラ・マズダ(光と善の原理)の神性の一分身とされた。…
【弥勒】より
…サンスクリットのマイトレーヤMaitreyaの音訳とされているが,〈弥勒〉という名前そのものはクシャーナ朝(1世紀半ば~3世紀前半)の貨幣にあらわれる太陽神ミイロMiiroに由来すると思われる。クシャーナ朝下で用いられた言語でミイロはイランの太陽神ミスラMithraに由来し,したがってベーダの契約神ミトラMitraと関連する。インド仏教徒はMiiroをMitraに還元し,mitraが友を意味し,派生語maitreyaが〈友情ある〉を意味することから,弥勒を〈慈氏〉(Maitreyaの意訳語)ととらえたものと思われる。…
※「Mithra」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」