世界大百科事典(旧版)内のArgosの言及
【アルゴリス】より
…ミュケナイやティリュンスの王城址は,それを示す代表的な遺跡である。ミュケナイ時代終焉ののち,この地方にはドリス人の支配する都市国家が多数成立したが,それらのなかでもっとも有力だったのがアルゴスArgosで,このポリスは,以後,南方の強国スパルタと敵対しつつ,ペロポネソス半島の一方の雄たるの地位を占めつづけた。前5世紀には,ミュケナイ,ティリュンス,ナウプリア,アシネなどアルゴス平野の諸市がアルゴスに併合されている。…
【アルゴナウタイ伝説】より
…遠征を決意したイアソンのもとにはヘラの導きで50人余の英雄が全ギリシアから参集した。船大工のアルゴスArgosはアテナ女神の加護のもと50人の櫂座をもつ人類最初の大船を造り,アテナみずから,有名なゼウスの神託所ドドナの森のカシ材から人語を発する不思議な木片を造り,へさきに取りつけ,アルゴ船(〈迅速号〉ほどの意)と名づけた。乗組員には隊長のイアソンのほか,ペレウス,テセウス,アドメトスAdmētos,オルフェウス,メレアグロス,ヘラクレスなど,トロイア戦争の英雄の1ないし2世代前の有名な英雄が名を連ねた。…
【イオ】より
…イオはゼウスに愛され,神に身をまかせたが,ゼウスは妃ヘラの嫉妬を避けるために,彼女を白い牝牛に変えた。しかしヘラはこの牝牛に疑いをかけ,夫からこれをもらいうけて,百眼の怪物アルゴスArgos(彼はまたパノプテスPanoptēs(〈すべてを見る者〉の意)とあだ名される)に日夜怠りなく見張りさせた。そこでゼウスはヘルメス神に命じてアルゴスを殺させると,ヘラはアブ(虻)を送ってイオを苦しめたので,彼女は狂乱のうちに諸国をさまよい歩き,ヨーロッパからアジアへ渡り(ボスポロス(〈牝牛の渡し〉の意)海峡の名のおこり),最後にエジプトに着いた。…
※「Argos」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」