世界大百科事典(旧版)内のcacciaの言及
【対位法】より
…やがて定旋律の1音に対して対位旋律の複数の音がつけられ,13世紀になると,〈強拍には協和音を用い,弱拍には不協和音も許される〉という規則が確立された。14世紀にはこれに加えて3度と6度を伴ういっそう豊かな響きと,フランスのシャスchaceやイタリアのカッチャcacciaを中心とするカノン技法への好みが著しくなる。当時はソプラノ(当時の用語ではディスカントゥスdiscantus),テノール,コントラテノールという3声書法が中心だったが,15世紀になるとコントラテノールが〈高いコントラテノールcontratenor altus〉と〈低いコントラテノールcontratenor bassus〉の二つに分化し,こうしてソプラノ,アルト,テノール,バスという基本的な4声部構造が確立した。…
【中世音楽】より
…代表的な詩人兼作曲家としてマショーが挙げられる。イタリアでは,マドリガーレ(マドリガル),バッラータballata(フランスのビルレー系),それにカノンの技法によるカッチャcacciaが数多く作られた。ヤコポ・ダ・ボローニャJacopo da Bologna(14世紀中ごろ活躍),盲目のランディーニらが知られている。…
【標題音楽】より
…また,例えばリストの《ファウスト交響曲》のように,文学作品と結びついた標題音楽は文学の内容を音楽化しているのではなく,その文学作品がその題材によって表現することを目ざしたが表現し尽くすことのできなかった,単に文学的な内容を超えたより深いものを音を使って表現しようとする試みであり,ゲーテの創作の継続なのであるという考えである。
[歴史]
19世紀の標題音楽の先駆としては,14世紀の鳥の声を描写した音画的要素を含んだ声楽曲〈カッチャcaccia〉(〈狩り〉の意)や15世紀の声楽曲〈バッタリアbattaglia〉(〈戦い〉の意)での戦争の場面の描写があげられる。これら声楽曲での標題音楽的手法に対し,器楽の分野では17世紀のポリエッティAlessandro Poglietti(?‐1683)の《夜鶯》の組曲やマンディJohn Mundy(1555ころ‐1630)の〈稲妻〉や〈雷〉を描写したバージナル曲がある。…
※「caccia」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」