世界大百科事典(旧版)内のDaphnisの言及
【ゲッケイジュ(月桂樹)】より
…以後この木はアポロンの聖木となり,彼が音楽,弓術,詩歌の神でもあったことから,竪琴と矢筒および詩人の額を飾る誉れの印となった。また,ダフネの名もこの木の呼名となり,たとえばヘルメスの息子で牧歌の創始者と伝えられるダフニスDaphnisのように,ゲッケイジュの森で生まれたことにちなむ人名にも転用された。このダフニスにも,エロスに挑んでニンフを熱愛する罰を受けた神話が語られている。…
【ニンフ】より
…人間に対しては,庭園や牧場に花を咲かせ,家畜を見張り,狩りの獲物を提供し,泉の水を飲むか浴する者に予言の力を授けたり,病を治してやるなど,おおむね友好的である。しかしときには森の中を通る旅人を怖がらせたり,その姿を見た者にとりついて正気を失わせたり,またアルゴ船乗組員の美少年ヒュラスHylasを泉に引きこんだように,人をさらったり,シチリア島の羊飼いダフニスDaphnisを盲目にしたように,求愛に応じない者に報復するなどの害をなすこともあると信じられた。このため彼女たちは古くからギリシア各地で崇拝の対象となっており,しばしば泉や洞に供物がそなえられた。…
※「Daphnis」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」