世界大百科事典(旧版)内のekklēsiaの言及
【教会】より
…現象としての教会はきわめて多次元的であり動的である――目に見えるものであると同時に見えないもの,人間的であってしかも神的,世界内在的であると同時に超越的,法律制度的であるとともに神秘的,罪人の集りでありながら聖なるものであり,すでに普遍的であると同時にいまだ形成途上にある,というふうに。現代語で〈教会〉を意味するchurch(英語),Kirche(ドイツ語)などが〈主に属するもの〉を意味するギリシア語to kyriakonに由来し,église(フランス語),chiesa(イタリア語)が〈集会,招集されたもの〉を意味するギリシア語ekklēsiaから来ていることからもわかるように,教会は神の発意と計画によって呼び集められた者の共同体であり,それを通じて神の救いの業(わざ)が遂行される道具であると同時に,そこにおいて救いが実現される場でもある。より具体的にいえば,イエスは彼の福音宣教の活動において何よりも教会の創立に力を注いだのであり,彼の十字架の死と復活は同時に教会の誕生を告げるものであった。…
【キリスト教美術】より
…各時代,各社会のキリスト教美術家たちは,この意味でそれぞれその時代の民衆の宗教生活に深く寄与すべき義務をもっていたわけであるが,彼らがすべてその義務を果たしたとはいえず,またその寄与のしかたも一様ではなかった。
[キリスト教建築]
キリスト教の聖堂(教会)を意味するヨーロッパ各国語は,ギリシア語のエクレシアekklēsia(集会または集会所)およびキュリアコスkyriakos(神に属するもの)の二つに由来する。聖堂は信徒の集会所であるが,またそれは神の家でもある。…
【民会】より
…アゴラは〈集まる〉という意味の動詞に由来する語で,民会の行われる場所もこの名で呼ばれた。ポリス成立後の市民総会はホメロスのアゴラの性格を継承し,アテナイではエクレシアekklēsia,スパルタではアペラapella,その他のドリス人ポリスではハリアhaliaまたはハリアイアhaliaia,デルフォイやテッサリアではアゴラと呼ばれた。王政・貴族政の時代には王や貴族の権力が強く,全市民の総会が定期的に開かれたかどうかは明らかでなく,開かれた場合も王や貴族の提案を聞くためであったようにみえる。…
※「ekklēsia」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」