知恵蔵 「KARA」の解説
KARA
デビュー当初はあまり人気が出ず、08年2月にソンヒが脱退。その後、新たにク・ハラとカン・ジヨンがオーディションで加わり、現在の5人組となって新生KARAとして活動を開始した。同年、「Pretty Girl」という曲が韓国のヒットチャートで2位を獲得するヒット曲になり、09年には「Honey」で初の1位を獲得。また、「Wanna」「ミスター」も続けてヒットとなり、特に「ミスター」は腰を振る“ヒップダンス”の振り付けが話題となって、韓国で社会現象にもなるほど大流行した。
日本への初来日は10年2月。韓国の女性アイドルグループとして初の日本来日ともなった。この時、赤坂ブリッツにて行ったショーケース・ライブはチケットが即完売する人気で、急きょ2回公演を行った。また、2月に発表した「LUPIN」では、韓国の三大歌謡番組すべてにおいて1位を獲得。4月に発売された韓国盤ボックス・セット「SPECIAL PREMIUM BOX FOR JAPAN」は7800円という高額商品ながら日本のオリコン・デイリー・チャートでトップ10入りを果たした。8月には日本語版「ミスター」で本格的に日本デビュー。「ミスター」のミュージック・ビデオは、YouTubeにアップされるや1日で20万視聴を記録。さらに、視聴回数、評価の高い動画、お気に入り登録最多動画など、6部門で1位を獲得した他、37タイトルでランクインした。9月に発売したブルーレイディスク「KARA VACATION」はオリコンの週間BDランキングのアイドルイメージ部門で1位、総合で11位。11月に発売したファーストアルバム「ガールズトーク」は2月7日付オリコンアルバムランキングで4位となり、4週連続でトップ5の座をキープ。
しかし11年1月、メンバーが「事務所の地位を利用して望まない仕事を強要された」ことを理由に所属事務所DSPメディアに専属契約の解除を申し出たことを韓国メディアが発表。契約解除の申し出をしたのはスンヨン、ニコル、ジヨンの3人。続いてハラも契約解除を申し出た。報道では、ギュリは契約解除通告の事実を知らなかったとされている。また、ハラはしばらくして契約解除通告を撤回した、やはり撤回はしていないなど、情報が二転三転するところも見られた。法律事務所の代理人による主張は、(1)地位を悪用した不要な芸能活動を強要し人格を冒とくした(2)説明なしに不正契約を結んだ、というもの。この問題でしばらく活動を中断したが、2月に再開。3日にはテレビ東京系で放送のKARAが出演する連続ドラマ「URAKARA」の撮影のため、来日も果たした。事務所とメンバーの間では、すでに予定されている活動はこなすことで合意を得ているが、今後の活動については不透明なところも多い。また、騒動にかかわらず、1月26日に発売したDVD-BOXセット「KARADISE2011~SEASON'S GREETING FROM THAI」は1万枚の売り上げ。2月7日付のオリコン週間DVDランキングで9位となり、音楽以外のコンテンツではKARAは初めてトップ10入りを果たすなど、人気をうかがわせた。
(富岡亜紀子 ライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報