世界大百科事典(旧版)内のKyffhäuserの言及
【フリードリヒ伝説】より
…シュタウフェン朝の皇帝フリードリヒ2世が死去したとき(1250)にも,ある女預言者が〈皇帝は生きているが生きていない〉と預言したこともあって,その死を信じない者は多く,皇帝はエトナ山に引きこもったと考えられていた。この伝説はドイツでは偽(にせ)のフリードリヒ(1284年か85年のティレ・コルプなど)を生み出すきっかけとなったが,やがてハルツ山地のキュフホイザーKyffhäuserの山の洞穴で世界に終末が訪れるまで眠っている皇帝についての伝説が形成されてゆく。中世末にはこの伝説の主人公はフリードリヒ1世に変わり,19世紀にはリュッケルトFriedrich Rückertのバラードによって国民的伝承となり,ナポレオンに対する解放戦争のなかではドイツの希望のしるしともなった。…
【山】より
…山には王や英雄ばかりか軍勢まで死後にすんでいるという伝説が西ヨーロッパに多い。ドイツのハルツ山地にあるキュフホイザーKyffhäuserにはフリードリヒ2世(のち1世赤髭王に結びつけられる)が座ったまま待機していて祖国存亡の時がくると兵を率いて駆けつけるという(フリードリヒ伝説)。死者が山にすむという信仰から,山はまた小人や妖怪,悪魔,幽霊が寄り集まる所ともされた。…
※「Kyffhäuser」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」