世界大百科事典(旧版)内のNērēidesの言及
【海】より
… ギリシア神話によれば,海ポントスは大地女神ガイアの息子だが,母と交わって多くの子孫を得た。その中の長子が,〈海の老人〉とあだ名される非常な知恵者で年寄りの海神ネレウスで,あらゆるものに自在に変身する能力をもち,ネレイデスNērēidesと呼ばれる50人(または100人)の美神たちの父親である。海の支配者は最高神ゼウスの兄弟のポセイドンで,武器としても漁具としても使われる三つ股の矛を持ち,地震や津波の神としても恐れられた。…
【ニンフ】より
…(6)レイモニアデスLeimōniades 牧場のニンフ。このほか,アケロオス川のニンフのアケロイデスAchelōides,ニュサ山(ディオニュソスの生まれた山)のニンフのニュシアデスNysiadesなどのように,特定の場所,町,国のニンフが多数伝えられており,またオケアノス〈大洋〉の娘たちオケアニデスŌkeanides,海神ネレウスの娘たちネレイデスNērēidesもニンフのうちに数えられることがある。【水谷 智洋】。…
【ネレウス】より
…気質がやさしく賢明な老人で,同じく〈海の老人〉と呼ばれるプロテウスのように,予言の力と自分の姿をさまざまなものに変える力があった。彼にはオケアノス〈大洋〉の娘ドリスDōrisとのあいだにもうけた50人(または100人)の美しい娘たち(ネレイデスNērēidesと呼ばれる)があり,ふだんは海(とりわけエーゲ海)の底で,その娘たちに囲まれて日を送るとされた。ネレイデスのなかでは,海神ポセイドンの妃となったアンフィトリテ,英雄アキレウスの母となったテティス,単眼巨人キュクロプスのポリュフェモスに恋されたガラテイアなどが有名。…
※「Nērēides」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」