世界大百科事典(旧版)内のnutmegの言及
【香料】より
…クリット・ラワン(丁子ようのにおいの強い皮)とカユ・マニス(甘い皮の意味で,シナモンとカシアに近い)で,中世のイスラム世界でいくらか使用されたようであるが,ほとんどマレー半島住民の使用にあてられ,ヨーロッパにも中国にも伝播していない。 丁子(クローブclove)と肉荳蔲(ナツメグnutmeg)は,18世紀まで,モルッカとバンダの小島以外には産出しなかった。この二つは,ヨーロッパ人の鳥獣魚肉とオリーブ油を主体とする調理に,防腐,刺激,種々の味とにおい,すなわち香味を与え,日常の食卓の飲食品を快適なものにするため欠くことのできないものである。…
【ニクズク(肉荳蔲)】より
…モルッカ諸島原産のニクズク科の常緑高木(イラスト)。仮種皮を除いた種子をナツメグnutmegといい,ふつう種皮をむいて石灰液に漬け,乾燥して製品とする。また種子を包む太い網目状の朱肉色の仮種皮がメースmaceで,ともに昔からスパイスおよび薬用として珍重された。…
※「nutmeg」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」