デジタル大辞泉 「PIIGS」の意味・読み・例文・類語 ピーグス【PIIGS】[Portugal, Italia, Ireland, Greece, Spain] 《Portugal, Italia, Ireland, Greece, Spainの頭文字から》2008年の世界金融危機後、欧州で財政悪化が特に懸念されるポルトガル・イタリア・アイルランド・ギリシャ・スペインの5国。ピグズ。→ジップス(GIIPS)[補説]当初はPIGSとしてポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペインの4か国を指したが、のちにアイルランドを加えてPIIGSと呼ぶようになった。イタリアを除く4か国をPIGSと呼ぶこともある。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
知恵蔵 「PIIGS」の解説 PIIGS PIIGSとは、ユーロ圏で財政状況がとりわけ厳しいポルトガル(Portugal)、アイルランド(Ireland)、イタリア(Italy)、ギリシャ(Greece)、スペイン(Spain)の5カ国の略称で、それぞれの国名の頭文字を取っている。また、経済規模の小さいアイルランドを除き、経済構造や社会的な共通点が多い南欧4カ国を「PIGS」と呼ぶこともある。ただし、アイルランドはギリシャについで債務不履行(デフォルト)リスクが高いため、ユーロ圏で最大の資本を持つイタリアの大手銀行「UniCredit」などは、財政状況が比較的健全なイタリアを含めるべきではないとして、財政破綻の危機が高いPIGSとはイタリアを除く(アイルランドを含めた)4カ国と主張している。 南欧4カ国の略称としてのPIGSは、1990年代半ばから用いられていたが、経済時事用語としてのPIGS、PIIGSが頻繁にメディアに登場するようになったのは、世界金融危機の余波でギリシャ財政危機が表面化し、財政基盤の弱い欧州諸国への信用不安が広がった欧州ソブリン危機(2009~10年)の頃からのことである。しかし、どちらも「豚(pig)」を連想させ、侮蔑的なニュアンスを含んでいることから、マスコミや金融関係者の間では使用を控える動きも見られる。 (大迫秀樹 フリー編集者 / 2012年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報