頭文字(読み)カシラモジ

デジタル大辞泉 「頭文字」の意味・読み・例文・類語

かしら‐もじ【頭文字】

欧文で、姓名のつづりの最初文字。かしら字。イニシャル
欧文で、文章の始まりや地名・姓氏などの固有名詞の最初に使う大形の字体キャピタル大文字
[類語]文字文字もんじ鳥跡ちょうせき鳥の跡用字表記点画てんかくレター邦字ローマ字アルファベットハングル梵字ぼんじ大文字小文字イニシャル英字数字漢字仮名真名片仮名平仮名万葉仮名字母表音文字表意文字音字意字象形文字楔形くさびがた文字甲骨文

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精選版 日本国語大辞典 「頭文字」の意味・読み・例文・類語

かしら‐もじ【頭文字】

  1. 〘 名詞 〙 欧文で、姓名などの固有名詞、または、文章の最初の字。イニシャル。かしらじ。
    1. [初出の実例]「階段を上って行くと戸の入口に T.C. といふのがある。是も頭文字丈で誰やら見当がつかぬ」(出典:倫敦塔(1905)〈夏目漱石〉)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「頭文字」の意味・わかりやすい解説

頭文字
かしらもじ
initial

欧文の文章や語,また姓名などの固有名詞の最初の大文字。イニシアル。姓名の頭文字は略署名として各種のサインに用いられる。印刷,美術用語としては,欧文の書籍,装飾写本の本文中の章,編などの最初の文字。特にほかの文字よりも大きく,色彩やさまざまの形象,模様によって複雑に装飾化されている場合をいう。最古の例は古代末期 (5世紀) の装飾写本中に見出され,メロビング朝以後になって特に発達した。8世紀初めのアイルランドの写本やカロリング朝時代の写本には,頭文字だけで1ページに及ぶ,いわゆるイニシアル・ページもある。ゴシック時代には,小さな連続模様で囲まれる形式のものが好まれた。印刷術発明後も,しばらくは頭文字だけが手書きにされた。しかし印刷術の発達とともにその芸術的な重要性はしだいに失われ,19世紀後半にウィリアム・モリスをはじめとするアール・ヌーボーの芸術家たちによってその復興が試みられた。

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世界大百科事典(旧版)内の頭文字の言及

【書】より

…ギリシア書法に基礎をおくラテン書法でも,石彫碑文のモニュメンタルな大文字が中世を通じて書籍用にも用いられ,後世の大文字活字の原型をなす。しかし,これらの大文字は,題字や頭文字(イニシャルinitial)として使用されるが,多用されることはなくなる。一方,3世紀に,葦ペンに適した丸味のある筆線の美しさを備えたラテン語アンシャル体およびセミ・アンシャル体が現れ,以後500年間キリスト教世界の書籍用書体として重要な役割を果たした。…

※「頭文字」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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