世界大百科事典(旧版)内のpneumaの言及
【息】より
…ギリシア語のプシュケー(魂,霊魂)はもと気息を意味した。またプネウマpneumaももと気息,風,空気を意味したが,のちには存在の原理とされるにいたった。古代インドでは,プラーナprāṇaが息,気息または呼気を意味したが,それは同時に人間存在の構成要素の一つである風(大気)をも意味し,やがて個人我の根拠とされた。…
【呼吸】より
…
【呼吸研究の歴史】
いき(息)もの,英語のアニマル(ラテン語のanima=息,生命に由来)などの語からもわかるとおり,呼吸と生命は古来密接に結びつけられてきた。空気中のプネウマpneuma(精気)が体内に取り込まれて生体を活気づけるという考えはギリシアにひろく見られ,アリストテレスは3種の精気を区別した。2世紀のローマのガレノスは自然精気が消化,栄養,排出などのいわゆる植物性機能をになうと考えた。…
【精神】より
…この点は語義の成立の過程からも明らかで,洋の東西を問わず心は心臓の動きと関連してできあがり,それゆえ身体内部に座をもつ概念である。一方精神は,それにあたる英語のスピリットspirit,フランス語のエスプリesprit,ドイツ語のガイストGeistが〈風〉〈空気〉〈息〉などを意味するラテン語のスピリトゥスspiritus,ギリシア語のプネウマpneumaに由来するように,個人の身体をつらぬき個人の身体を超えて遍在する広がりをもつ。こうした性格から精神は,一方で,人間の心や身体を支配する〈霊〉のイメージを帯び,他方では神や超越者の観念と結びついて倫理的・形而上学的な性格をつよめる。…
※「pneuma」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」