エシェレット格子(読み)エシェレットこうし(英語表記)echelette grating

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エシェレット格子」の意味・わかりやすい解説

エシェレット格子
エシェレットこうし
echelette grating

R.W.ウッドが赤外線分光用に考案した回折格子の1種。回折格子の溝を刻むのに先端を研磨したダイヤモンドを使い,鋸歯状の溝をつけたもので,所要次数スペクトル大部分の入射エネルギーが集中するようになっている。その作用エシェロン格子 (階段格子 ) に似ているので,この名がつけられた。現在では技術が進んで,紫外線用の溝数の多い回折格子でも,ほとんどこの方法でつくられる。 (→ブレーズ )

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世界大百科事典(旧版)内のエシェレット格子の言及

【回折格子】より

…図のαをブレーズblaze角,一次光の強度が最大となる波長をブレーズ波長と呼ぶが,後者は溝面に垂直に入射光を入れたとき同方向に戻る一次回折光の波長で定義することが多い。紫外・可視域に対して(数百~数十本)/mmの粗いエシェレット格子を作り,図3のように急斜面側を使うようにしたものをエシェルechelleという。mの大きい高次スペクトルを利用して高分解能を得ようとするものであるが,多光束干渉分光法と同様次数分離のための補助分光系が必要である。…

※「エシェレット格子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」