デジタル大辞泉
「作用」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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さ‐よう【作用】
- 〘 名詞 〙
- ① ( ━する ) あるものが他に影響を与えるようにはたらくこと。また、そのはたらき。〔文明本節用集(室町中)〕
- [初出の実例]「些少の作用、何ぞ一字を惜まん。却て是れ仏法多子なし」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)五)
- 「世の中には、妙な作用(サヨウ)を持ってる眼があるものだ」(出典:坑夫(1908)〈夏目漱石〉)
- [その他の文献]〔景徳伝燈録〕
- ② 力学で、二つの物体間に両者の力が働きあうとき、その一方の力。〔工学字彙(1886)〕
- ③ ブレンターノの心理学およびフッサールの現象学で、意識作用がなにかの内容(対象)に向かっている場合の、意識の能動的な志向の働き。ノエシス。〔哲学字彙(1881)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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作用 (さよう)
action
interaction
一般に二つの物体の間に力が働いているとき,その力によって一方が他方に及ぼす影響,またはそれによって生ずる変動のことを作用という。広義には物体に限らず物質や波動の構成成分間,また物理現象のみならず化学反応現象に関しても,さらには心理現象や社会現象においても相互の間に働く力の結果という意味で作用という言葉が用いられる。物理現象としての作用が定量化されるためには,例えば物体間の距離の関数として力が具体的に表され,その力によって動かされる物体の運動法則(運動方程式)の中においてそれが定量的に示されることが必要となる。その場合,一方から他方への作用は同時にその逆の作用も生ずるという理由から,しばしば相互作用という言葉で表されることが多い。解析力学や量子力学において相互作用は,関与する部分力学系の双方の変数を含むハミルトン関数として表現され,その強さを示す定数は相互作用定数と呼ばれる。なお,解析力学の用語である作用量を単に作用と呼ぶ場合は,力学系に固有な特別の意味があることに注意が必要である。
→作用量
執筆者:長谷川 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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普及版 字通
「作用」の読み・字形・画数・意味
【作用】さよう
はたらき。〔魏書、孫紹伝〕臣聞く、~治、人理に乖(そむ)かば、合ふと雖も必ず離る。作用
を失はば、
ると雖も必ず敗ると。此れ乃ち古今同然、百王の定法なり。字通「作」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の作用の言及
【変分原理】より
…〈重力のもとで質点がある2点間を運動するとき,その所要時間が最短であるような軌道はどのように定められるか〉,というベルヌーイの問題から数学上の一分科としての[変分法]が始められたが,もし現実に質点の軌道がそのような条件,すなわち〈最短到達時間〉によって定まるのであれば,それは一つの運動法則とみなされよう。事実,歴史的には18世紀から19世紀にかけて,変分法が役割を果たす形式によりニュートンの運動法則を書き換えようとする試みが多く現れており,その代表的なものに[ダランベール]の原理,[最小作用の原理],[ハミルトンの原理]がある。一般的に,物理的な現象を法則として述べるのに関与するある基本スカラー量があって,これを最小にするという条件から法則が導かれる場合,この法則の記述の仕方を変分原理と呼んでいる。…
※「作用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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