オウギワシ(読み)おうぎわし(英語表記)harpy eagle

翻訳|harpy eagle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オウギワシ」の意味・わかりやすい解説

オウギワシ
おうぎわし / 扇鷲
harpy eagle
[学] Harpia harpyja

鳥綱タカ目タカ科の鳥。メキシコボリビア、ブラジル南部、アルゼンチン北部に分布する大きなワシで、世界のワシ類でもっとも強力といわれているが、翼は比較的短い。全長約95センチメートル、翼長約56センチメートル。頭部灰色で後頭に冠羽があり、頸(くび)から背、翼は黒灰色、尾は灰色と黒の横縞(よこじま)、胸は黒く腹は白い。熱帯森林にすみ、サルナマケモノなどをとらえ、重い獲物も強力なつめでつかんで垂直に飛び上がることができる。高木の上に営巣し1卵を産む。

高野伸二

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のオウギワシの言及

【ワシ(鷲)】より

…タカ目タカ科の鳥のうち,小型のタカ(英名hawk)に対して大型の種を一般にワシというが,分類学的にはワシとタカは区別することができない。タカ科の鳥は約220種があり,このなかで真に猛禽(もうきん)のイメージをもちワシの名にぴったりするのは,ウミ(海)ワシ類,オウギワシ類,ヤマ(山)ワシ類である(クマタカ類も含む)。コンドルに似た腐肉食のハゲワシ類とヘビ,トカゲ,カエルなどを主食とするカンムリワシ類はワシの名がつくが,ワシのイメージに合わない。…

※「オウギワシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」