普及版 字通 「故(漢字)」の読み・字形・画数・意味
故
常用漢字 9画
[字訓] ことさら・もと・ゆえ
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
古+攴(ぼく)。古は祝を収める器((さい))の上に、聖器としての干(たて)を加え、その呪能を永く守る意。ゆえに古久の意がある。それに攴を加えるのは、その呪能をことさらに害しようとするものであるから、字は故意・事故を原義とする。そのことが原因をなすので事由の意となる。金文の〔大盂鼎(だいうてい)〕に「古(ゆゑ)に天、臨して子(いつくし)む」とあり、古を故の意に用いる。また〔小盂鼎〕に「厥(そ)の故(こと)を(と)ふ」とは事由の意。〔周礼、天官、宮正〕「國に故(こと)り」とは、事故・禍殃のあることをいう。
[訓義]
1. ことさら、故意。
2. ことがら、こと、事故、できごと。
3. わざわい、たくらみ。
4. もと、しきたり、ならわし。
5. ゆえ、理由、道理。
6. すぎたこと、死ぬ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕故 ユヱ・カルガユヱニ・ソヘニ・フルシ・ナホシ・コトサラニ・イニシヘ・カヘル・マコトニ・ムネ・カレ・トモ・サラニ・モト・タヘタリ・ワザハヒ・コト/故是以 カレコチ(レ)/故々 ネタマシガホ・ネタイカナ
[語系]
古・故kaは同声。故は故意に古(蓋をした廿(さい))を殴(う)ち、その呪能を破る意。故は古の声義を承ける字である。
[熟語]
故意▶・故為▶・故宇▶・故駅▶・故苑▶・故掾▶・故縁▶・故園▶・故家▶・故格▶・故客▶・故勘▶・故関▶・故▶・故記▶・故鬼▶・故基▶・故器▶・故丘▶・故旧▶・故去▶・故墟▶・故郷▶・故業▶・故曲▶・故訓▶・故君▶・故刑▶・故畦▶・故蹊▶・故券▶・故語▶・故誤▶・故公▶・故交▶・故行▶・故国▶・故妻▶・故塞▶・故歳▶・故殺▶・故山▶・故址▶・故紙▶・故事▶・故式▶・故識▶・故失▶・故実▶・故主▶・故習▶・故処▶・故書▶・故絮▶・故縦▶・故蹤▶・故城▶・故常▶・故心▶・故臣▶・故人▶・故棲▶・故迹▶・故跡▶・故蹟▶・故然▶・故▶・故俗▶・故族▶・故態▶・故端▶・故地▶・故池▶・故知▶・故智▶・故儔▶・故▶・故庭▶・故程▶・故轍▶・故典▶・故都▶・故途▶・故土▶・故套▶・故道▶・故▶・故入▶・故年▶・故廃▶・故買▶・故犯▶・故▶・故夫▶・故府▶・故物▶・故弊▶・故▶・故歩▶・故法▶・故友▶・故遊▶・故里▶・故籬▶・故侶▶・故林▶・故塁▶・故路▶・故廬▶・故▶・故老▶
[下接語]
意故・縁故・温故・雅故・解故・懐故・義故・久故・旧故・訓故・刑故・稽故・国故・今故・細故・事故・習故・掌故・深故・親故・世故・先故・素故・他故・多故・大故・知故・典故・反故・物故・変故・明故
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報