凡例

I 見出し語

 本辞典で取り扱う学習者向け現代フランス語の語彙の範囲を確定するための基準としておもに, Le Petit Larousse illustréLarousse Dictionnaire de français 35000Le Robert méthodiqueの3書の収録語彙の比較検討から出発した.さらに学習仏和辞典という性格から基本単語約3000語をフランス基本語辞典, Dictionnaire du français langue étrangère (Niveau I,II)などを比較検討して確定し,その重要度において大活字や**を使用し,これらに相当する見出し語はすべてカラーを使用した.また現代の生きたフランス語の記述という観点から必要不可欠と判断された語は Dictionnaire des Mots contemporains などの現代用語辞典から積極的に抽出した.

 専門語については「小学館ロベール仏和大辞典」をベースに各学習用仏々辞典との比較検討により収録してある.

 以下,実状に則して述べる.

 1. 一般語のほか,固有名詞(人名は巻末一覧表に),略語,記号,接辞(接尾辞は巻末に),主要不規則動詞の変化形,ラテン成句などを収録し,すべてアルファベット順に配列した.

 2. つづり字が同じ場合,大文字で始まる語は小文字で始まる語の前に配置した.

 3. 同一つづりの語では語源の異なる語,および語源が同じでも語義が著しく異なる語は別見出しに立て,それぞれ右肩に番号をつけて区別した.

 4. 見出し語が性によって語尾変化する場合には,その変化する部分をイタリック体で示した.ただし単音節の女性形は全形を示した.

 5. 同一見出し語内における品詞の転換はダッシュ(――)で示し,準見出し語として掲出した.その際,親見出し語と同じ形をとり,かつ親見出し語に続いて記される場合はダッシュ(――)のみとし,つづり字は省略した.ただし,準見出し語でも**のついた重要語についてはつづり字を提示した.

 6. 代名動詞に付される se および s' はそれぞれ語頭に付し,配列上は無視した.たとえば,se moquer は moquer を引けばよい.

 7. 名詞,形容詞の複数形は,セミコロン(;)のあとにイタリック体で表示した.ただし,単に語尾に s を付すだけの語および単数形の語尾が -s,-x,-z で終わり,単複同形となる語には原則として複数形の表示はしていないが,発音が異なる場合,また単数形語尾が -al で終わり,その複数形が -als で終わる場合は例外的に示した.

例: œuf /œf/;((複)) œufs /ø/

 8. 固有名詞に伴う冠詞は発音欄の直後に( )内で示した.

 9. 大文字のアクサンは省略した.

II 発音

 1. 発音は見出し語の直後の[ ]に入れ,国際音標文字で示した.ただし接頭辞,不規則動詞変化形の語幹のみを見出し語にしてある場合には発音を付さず,略語についてはアルファベット読みでない場合に限って発音を付した.

例: ENA /ena/

 2. 女性形の発音はカンマのあとに見出し語のイタリック体に合わせて示した.複数形の発音も同様にした.

 3. 同一語で複数の発音がある場合には,(;)で示した.また省略可能のときは( )を用いているが語末の(ə)はいくつかの例外を除いて採用していない.

 4. 親見出し語になる代名動詞の se,s' は発音表示に入れた.

 5. 見出し語が2語以上併記された場合,発音が同じ場合には第一提示の語の直後に示し,異なる場合はそれぞれの語の直後に示した.

 6. 有音の h には見出し語の左肩上に†または(†)で示した.(†)は無音もありうることを示す.

 7. 子音扱いの y は見出し語の左肩上に†で示した.

III 動詞の活用形

 巻末に掲げた「動詞活用表」と対応した番号を,発音欄の直後に示した.ただし第1群,第2群規則動詞は除いた.

例: écrire /ekriːr/ 78 [他動]

IV 品詞

 1. 品詞の表示は略語表に示す日本語の略号を用い,原則として発音欄の直後に示した.

 2. 同一語で2つ以上の品詞がある場合は,ダッシュ(――)をもって区切りとしてあるが,形容詞と名詞あるいは名詞と形容詞で,語義として意味がつながる場合は品詞を併記した.

例: électrotechnique /elεktrɔtεknik/ [女],[形] 電気工学(の).

V 語義

 1. 語義の配列順は,現代の用法を最重要視し,一般的な語義から特殊な語義へと配列した.

 2. 語義分類はI,II,III…,123…,➊,➋,➌…,(1),(2),(3)…の順位とし,一般的には➊,➋,➌…を用いた.また,大項目や機能語などを中心に,語義に広がりを持つ語には,主要語義を太活字で示した.

 3. 語義に対応する一定の連語関係の表示を〈 〉で,語義区分内で特に強調したい連語表示を◆で示した.

例: s'agir /saʒiːr/ [代動] ➋〈Il s'agit (là) de+不定冠詞+名詞〉

 これら連語表示の訳文での〔 〕はおもに動詞の目的語および主語を,また形容詞では潜在的な非修飾語を示した.

 4. 語義の補足説明は( )で示し,語の置換には[ ]を用いた.

 5. 専門分野の語義の説明はコロン(:)のあとで示した.

VI 用例

 1. 用例は語義のあとに示した.

 2. 用例中においても大文字のアクサン記号は省略した.

 3. 同義の用例を2つ以上併記する場合は=で示し,その際必要に応じて位相ラベルを付した.

 4. 用例中の人称代名詞,所有形容詞の訳語は性・数2通りの訳語を提示することを原則とした.

 5. 用例中2語以上の語句の置換には置き換えの始まりを示す記号「を設け[ ]との対応を明示した.

VII 成句

 1. 成句は原則として各品詞ごとに項目本文の最後にイタリックの太活字で掲出した.

 2. 配列は冠詞も含めて,単純にアルファベット順とした.

 3. 成句中でも,連語関係を必要に応じて◆を付して表示した.

 4. おもに諺などでは,必要に応じて(→)で直訳を示し,その直後に慣用的な表現を示した.

VIII 類義語,反義語

 1. 本辞典では語義,用例に対する類義語 synonymeを(= )の形式で表示した.

例: élève /elεːv/ [名] ➋弟子,門弟 (=disciple).

 2. 用例中,訳語のあとに置かれた(= )は仏文全体と置換可能であることを示す.

例: indiquer /ε̃dike/ [他動] … Son visage indique sa colère. (=trahir) 彼(女)の顔には怒りが表われている.

 3. 類義語欄に準じて,反義語も(⇔)を用いて表示した.

IX 略語

 略語の使用頻度が極めて高いフランス語では,その消長もはげしい.本辞典では略語の定着度に注目しつつ,厳選して積極的に取り込んである.また略語が一つの語単位として発音できるものについては発音記号を付した.

例: OTAN /ɔtɑ̃/ [女] ((略語))

X 比較欄

 1. 日本語をキーワードにして類義語約200点を選定し,それぞれについて,(1)意味の強弱,(2)意味内容の違い,(3)言葉の位相の差,(4)連語関係(用法)における違いを適宜用例を付して記述した.

 2. 意味の強弱には,不等号(<または>)を使用した所もある.

 3. 比較欄は比較で示した.

XI 語法欄

 おそらく仏和辞典界では初めての試みと思われる語法の充実に努めた.語の運用についてしばしば誤りに陥りやすい言葉や表現方法について,約80点を本文中に,また囲み欄として提示した.その際,語法は語法で示した.

XII 外来語

 現代フランス語において,外国語からの借用語は極めて多い.本辞典は外来語の表示を次のようにした.語形がフランス語の影響を受けず,原つづりがそのまま用いられている語は,原則として品詞表示のすぐあと(準見出し語がある場合は,親見出し語の品詞表示のすぐ前)に外来語ラベルをつけた.

例: shampooing / /, shampoing [男]((英語))

XIII 英仏そっくり語

 形は似ているが意味が異なる基本的な英語とフランス語を挙げ,英語の知識を利用しつつ混乱せずにフランス語の語彙を増やせるようにした.なお,ここでは英語とフランス語の主要な意味のみを掲載した.

例:英仏そっくり語 英 actual 実際の. 仏 actuel 現在の.

XIV 固有名詞

 見出し語として採用した固有名詞は主として地名である.主要各国名に品詞を明記し,その国名と共に用いられる前置詞を用例で明示した.また首都名をフランス語で記載した.

例: France / / [固有] [女] フランス:首都  Paris. en France フランスに[で,へ].

 またフランス国内については全県名,旧州名,行政地域圏,県庁所在地名を収録(いずれも本辞典の表紙見返しのカラー地図によって容易に検索できる).その他主要外国都市名も収録した.また,人名については巻末に一覧表にして掲載した.

略語表

品詞ラベル

[名]名詞
[男]男性名詞
[女]女性名詞
[男・複]男性名詞複数形
[女・複]女性名詞複数形
[男]/[女]男性または女性名詞
[男](稀に[女])男性稀に女性名詞
[代]代名詞
[代]((人称))人称代名詞
[代]((指示))指示代名詞
[代]((所有))所有代名詞
[代]((不定))不定代名詞
[代]((疑問))疑問代名詞
[代]((関係))関係代名詞
[形]形容詞
[形]((不定))不定形容詞
[形]((所有))所有形容詞
[形]((数))数形容詞
[形]((疑問))疑問形容詞
[形]((関係))関係形容詞
[形]((感嘆))感嘆形容詞
[副]副詞
[副]((疑問))疑問副詞
[副]((関係))関係副詞
[他動]他動詞
[間他動]間接他動詞
[自動]自動詞
[代動]代名動詞
[非人称]非人称動詞
[前]前置詞
[接]接続詞
[間投]間投詞
((擬音))擬音語
[形・句]形容詞句
[副・句]副詞句
[前・句]前置詞句
[接・句]接続詞句
[接頭]接頭辞
[活用]動詞活用形
[固有]固有名詞
((不変))名詞,形容詞において,男性形,女性形が同じで,かつ,単数形,複数形が同じであることを示す
((男女同形))語尾が -e 以外の語に表示した
((単複同形))語尾が -s,-x,-z 以外の語に表示した
qcquelque chose 物,無生物を示す
qnquelqu'un 人,動物,擬人化された物を示す

位相に関するラベル

⸨話⸩話し言葉
⸨文章⸩現代の文章語
⸨俗⸩俗語
⸨卑⸩卑語
⸨隠⸩隠語
⸨隠⸩((学生))学生の隠語
⸨隠⸩((船員))船員の隠語
⸨隠⸩((軍隊))軍隊の隠語
⸨稀⸩稀にしか用いない語
⸨古⸩古語
⸨古風⸩現代の語彙に含まれない語
⸨地域⸩地域語
⸨パリ⸩パリの地域語
⸨南仏⸩南仏の地域語
⸨ベルギー⸩ベルギー語法
⸨カナダ⸩カナダ語法
⸨スイス⸩スイス語法
⸨方言⸩フランス語の方言
⸨古⸩/⸨文章⸩古語または文章語
⸨古・文章⸩古語で文章語
⸨詩語⸩詩で用いられる語
⸨幼児語⸩子供言葉
⸨商標⸩商品名
⸨諺⸩諺,格言などを示す

記号類

( )省略または追加可能な語句
訳語の補足説明,例示
間接他動詞以外の前置詞の被制辞を示す
引用した用例の著作家名など
(( ))文法ラベル,語義ラベル,語形ラベル
各品詞の用法の表示
例:[形]((所有))
外来語ラベル
例:((英語))
[ ]直前の語句と置き換え可能の部分.仏文・和文ともに用いる
フランス県番号
〔 〕連語関係を示す(他動詞および代名動詞の直接目的語,間接他動詞の目的語,動詞・動詞句の主語,形容詞・形容詞句の被修飾語(句))
《 》応答形式の会話表現
例:《Quel âge avez vous? ― J'ai trente ans.》
「 」文学作品など
会話表現,決まり文句の訳文
(→)諺,成句の直訳,原義
〔 〕専門語ラベル
例:〔法律〕〔化学〕
(⇔)語義欄での見出し語の反義語
(=)語義欄での見出し語の類義語
用例中の見出し語に対応する類義語
例文・成句などのフランス語での言い換え
:専門語などの解説開始
用例の開始.ただし成句欄では省略
訳語の省略部分
定型表示で限定しがたい部分
用例の展開中で,定型的連語表現の表示
< >語義に対応する一定の連語表現のパターン
見出し語の異形の併記
位相,文法,語法など各種ラベルの併記
< >および◆の定型表示で,2つ以上の文型を示す
語法,文化背景などの簡単な注記
** *見出し語の左肩につけて,重要語を示す
ː発音で長音を示す
同義の用例を併記
仏文用例中で2語以上の置き換えの時[ ]内との置き換え開始位置を示す
見出し語の左肩につけて,有音のh,子音扱いのyを示す

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