サッラーフ(英語表記)sarrāf

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サッラーフ」の意味・わかりやすい解説

サッラーフ
sarrāf

中世イスラム社会の両替商銀行家サイラフィーとも呼ばれる。貨幣取扱吏 (ジャフバズ) とともに都市市場ディーナール金貨とディルハム銀貨の交換業務にあたった。商業取引が発達するにつれて,預金貸付け,さらには送金業務をも兼ねるようになり,小切手 (ルクア) の現金化をも担当した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサッラーフの言及

【両替】より

…しかし日常の取引決済には,各種の重量・金位をもつ法定・偽造の金銀貨幣,ならびに鋳込み地金,砕銀,粒銀が多く使用されている。したがって,それらを試金・計量して実質価値を評定し,手数料を徴収して両替に従事する両替商(サッラーフṣarrāf)の存在が必要であった。10~11世紀,バグダードのアウン街はこれらの両替商が軒を並べる金融街であった。…

※「サッラーフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android