両替商(読み)りょうがえしょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

両替商
りょうがえしょう

両替を業とした商人。室町時代末期から興り,江戸時代に入って大いに繁栄,両替のほか為替,預金貸付け,手形振出し,公金取扱業務にあたった。全国的にみられたが,江戸,大坂,京都の3都の両替商が有名。取扱業務により本両替銭両替,小両替などの別があった。

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百科事典マイペディアの解説

両替商【りょうがえしょう】

江戸時代,金銀銭3貨の交換をはじめ為替,預金,貸付,手形等の金融業務を扱った商人。中世の替銭屋(かえせんや),割符屋(さいふや)の系譜をひき,戦国期に現れた。いわゆる両替業務専門の銭(ぜに)両替と金融業務を主とする本両替があり,三都(江戸・大坂・京都)を中心に全国主要都市にあったが特に大坂では本両替が発達。
→関連項目掛屋酒屋幕府札三井家三井財閥山片蟠桃

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大辞林 第三版の解説

りょうがえしょう【両替商】

各種の鋳貨が流通していた江戸時代、手数料をとって、貨幣を交換した商人。金銀売買・貸付・手形振出・為替取組預金なども扱い、金融機関として重要な役割を果たした。両替屋。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

両替商
りょうがえしょう
money changer

一般に各種の外国通貨および旅行小切手(トラベラーズ・チェック)を手数料をとって自国通貨と交換することを業務とするものをいう。日本においては、外国通貨や旅行小切手をそのまま使用することは「外国為替(かわせ)及び外国貿易管理法」(昭和24年法律第228号)によって禁止されていたため、外貨などは円貨と交換のうえ使用しなければならない。そのため当時の大蔵大臣は、外国人旅行者の便宜のため、外国人と接触の多い旅行業者、ホテル、百貨店などに両替商を営む特別の認可を与えていた。また外国為替取扱いを公認されている普通銀行などの金融機関でも為替業務の一部として、両替業務を行うことができた。しかし1998年(平成10)4月施行の「外国為替及び外国貿易法」(改正外為(がいため)法)によって、両替業務は原則として自由化され、一般企業にも認められることとなった。
 両替商はもともときわめて初期的な金融業務の一つで、ギリシア・ローマ時代にすでに出現して外国通貨の鑑定、自国通貨との交換などを行っており、内外交易の発展に伴いその役割も増大してきた。中世以降の両替商は、アムステルダム銀行などにみられるように近代銀行業の先駆的形態であるといえる。[岡田和喜]

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精選版 日本国語大辞典の解説

りょうがえ‐しょう リャウがへシャウ【両替商】

※東京日日新聞‐明治一八年(1885)七月三〇日「神田淡路町の両替商旭屋丹羽唯九郎氏の発起にて」

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世界大百科事典内の両替商の言及

【為替】より

…替銭・替米はことに(2)の場合のように利息付きである場合,原則として徳政令の対象とされた。【小田 雄三】 江戸時代になると,為替は両替商の媒介で行われ,その体系が整備されるとともに一般的商業技術として定着した。江戸時代は,大坂・江戸・京都の三都と城下町を結ぶ隔地間商業を中心に大量かつ恒常的な幕藩制的商品流通が展開した。…

【銀行】より

…バビロニアにおいては,こうして信用業務に重点をおく形で銀行業務が発展したのだが,古代の他の地域では雑種通貨の流通が商業活動の障害となっていたために銀行業務は両替業務から生じた。ギリシア世界で経済的繁栄をきわめた都市国家アテナイには,トラペジテスとコリュビステスという2種類の銀行業者が活躍したが,後者は文字どおり両替商であった。また,ローマの銀行業者(アルゲンタリウス)はもともと両替商であった。…

【大名貸】より

…大名貸は掛屋によって主として〈江戸仕送り〉という形でなされた。その場合,大坂から江戸への下り商品の増大,大坂の江戸への貸越しの恒常化が江戸仕送りの為替送金を可能ならしめ,両替商が掛屋として最もよくこれを担当しえた。毎年その年の大坂登せ蔵物売払代で返済される当用貸としての江戸仕送りが繰り返された。…

【三谷三九郎】より

…江戸で明暦年間(1655‐58)以前から続いた本両替商の名。とくに米沢,秋田,会津など東北諸藩への大名貸を行い,大坂の鴻池と並び称された。…

※「両替商」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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