精選版 日本国語大辞典 「都市」の意味・読み・例文・類語
と‐し【都市】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ヨーロッパの古代都市はギリシアのポリスに代表され,これは都市国家として,アゴラや神殿,劇場など市民の公共生活の施設が都市の中核をなしていた。その性格を受け継いだローマとその属領都市は,帝政時代にはさらに,闘技場や大浴場など巨大な公共建築物で彩られることになる。生産活動を奴隷に依存した古代の都市が基本的に消費都市であったのに対し,中世都市は商人や手工業者である市民の生産,通商活動の場であり,また自治権を持った都市民の城砦でもあって,城壁に囲まれ,家屋が密集した市街の中心には市庁舎,市場広場,教会がある。近世に入ると絶対主義国家の成長に伴い,都市の自治が失われる一方,パリ,ロンドンなど各国の首都が大都市化し,地方都市は地方行政拠点として再編成されてゆく。産業革命は多くの産業都市を発展させ,また都市の機能の多様化に伴い多数の人口が大都市に流入して,建築物の高層化が新しい都市景観をつくる一方,環境問題をはじめとする新たな都市問題を発生させた。これは当初植民都市として発展した南北アメリカの近代都市,またアジアの近代化した都市についても同じである。中国における都市の歴史発展は,早期に出現した巨大な統一国家の行政支配と密接にかかわっている。まず文明の発祥した黄河や長江流域で都市的集落が叢生し,殷(いん)周時代に城壁で囲まれた「邑(ゆう)」と呼ばれる都市国家が成立した。戦国時代以降,領域国家に成長すると,国都も巨大化した。秦漢統一帝国の成立以降は,国都を頂点とし郡治や県治(県城)からなるヒエラルキーに整序されるとともに,軍事や徴税などの便宜から全国各地にほぼ均等に地方都市が配置された。当時,行政的中心が置かれた城郭都市の総数は,およそ大都市100,中小都市1500あまりで,近代に至るまで変化がなかった。10世紀を境に商業が発展し全国市場が形成されると,「草市」や「鎮」と呼ばれる商業集落が発生し,県城と農村をつなぐ商業ネットワークが形成された。歴代の王朝や政権が置かれた国都の数も膨大で約160を超えるが,特に10世紀以前の西安,それ以後の北京が代表的である。アヘン戦争以後には,開港場に設けられた外国租界地から上海,漢口,天津などの大都市の発展も始まった。西アジアのイスラーム都市は,古代オリエントの都市を起源とするもの,軍事,通商上の拠点に築かれたもの,王朝の都として造営されたものなど,その形成過程はさまざまである。しかしいずれの場合も,金曜集団礼拝のためのモスクと市場(スーク,バーザール)とを有し,これらの施設をはじめとするインフラストラクチュアの整備に,ワクフと呼ばれる制度が大きな役割を果たしてきたことにイスラーム都市としての特徴を見出すことができる。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
…貧民への喜捨は修道士の霊的救済のために必要なのであって,その限りで貧民救済が続けられていたにすぎない。 中世ヨーロッパの各地に都市が成立すると,慈善事業に新しい局面が訪れる。都市内に成立した手工業者や商人の兄弟団(組合)がキリスト教の教義に基づいて盲人,啞者,病人などの世話をしたからであり,とくにベギン会やベガルド会などの在俗修道会はこの方面で大きな活動を行っていた。…
…日本で最初に〈集落〉の語を用いたのは新渡戸稲造の《農業本論》(1898)で,農業経営の立場から農村の集落形として疎居・密居のあることを述べている。そして〈集落〉が現在のように都市・村落を含めた人類居住の意に用いられるのは,ヨーロッパの集落地理学が紹介されて以降,1921年前後からである。最近では農林業センサスでも〈農業集落〉の用語が用いられるようになった。…
…サンスクリットで〈都市〉を意味する語。《リグ・ベーダ》の時代には,アーリヤ人が遭遇した先住民の拠っていた〈城塞〉を意味した。…
…文明の語civilizationがラテン語の市民civisや都市civitasに由来するように,とくに都市の文化をさすことが多いが,19世紀の末に〈文化〉を最初に定義したE.B.タイラーは,〈文明〉と〈文化〉を同一視している。プラトン,アリストテレス,T.ホッブズなどは〈文明〉と〈社会〉を同一視し,文明以前を無秩序な状態(自然状態)と考えた。…
…中世には,すでにカール大帝が自由人に一般の軍役のほかに夜間の見張りを義務づけている。国の秩序の維持と都市や城塞の警備,帝国国境の警備が主たる内容で,遠征に赴くことのできない貧しい人々にも夜警の義務が課されていた。のちには塔守が現れたが,それは戦時の警備だけでなく,城の安全と平和を守るために配備されたものであった。…
…そのため船舶による河口からの遡行距離がきわめて長く,河川による交通は陸路をしのぐものがあった。古代の沿海文化が中世の内陸文化に移行しても,河川に沿った無数の中世都市が交易の拠点となりえたのである。
[人文地理的概念――三つの地域]
次に人文ないし歴史地理学的に考えてみると,ヨーロッパは大きく分けて次の三つの地域にまとめることができる。…
※「都市」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新