ナムウォン(南原)市(読み)ナムウォン(英語表記)Namwǒn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナムウォン(南原)市」の意味・わかりやすい解説

ナムウォン(南原)〔市〕
ナムウォン
Namwǒn

韓国,チョルラプク (全羅北) 道の南東部にある都市。ナムウォン郡の郡庁所在地。 1981年邑から市に昇格。ソベク (小白) 山脈に開けたナムウォン盆地にあり,ソムジン (蟾津) 江の支流ヨ (蓼) 川にのぞむ。チョルラナム (全羅南) 道,キョンサンナム (慶尚南) 道へいたる自動車交通の要衝で,チョルラ (全羅) 鉄道も通っている。早くから交通の要地として開け,農耕も盛んであった。百済の時代に郡がおかれ,中国の帯方郡の版図に入ると帯方州刺史がおかれた。新羅時代に小京,高麗時代に安南都護府。李氏朝鮮では鎮となり,末期には南原府がおかれた。山間に広い商圏をもち,農,林産物を集散する。韓紙,墨,木器を特産。また口承文芸『春香伝』の舞台として広く知られる。李朝初期に建てられた広寒楼,春香をまつる春香閣がある。東方のウンボン (雲峰) はチリ (智異) 山への登山口としてにぎわう。人口6万 3121 (1990推計) 。

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