チョルラ(英語表記)Cholula de Rivadavia

デジタル大辞泉 「チョルラ」の意味・読み・例文・類語

チョルラ(Cholula)

メキシコ中東部、プエブラ州部の都市。州都プエブラの西約10キロメートル、標高2510メートルに位置する。トルテカ文明中心地として10世紀から11世紀頃に隆盛し、日干し煉瓦でできた高さ50メートルを超えるピラミッドトラチウアルテペトル中心多数神殿が築かれた。16世紀にコルテス率いるスペイン軍に征服された。チョルーラ

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改訂新版 世界大百科事典 「チョルラ」の意味・わかりやすい解説

チョルラ
Cholula de Rivadavia

メキシコ中央部,プエブラ州の州都プエブラの西14km,ポポカテペトル火山の東麓に位置する古都。標高2150m。人口約1万5000。7世紀から12世紀初めまでトルテカの都アチョランとして繁栄し,その後も宗教的中心地であった。1519年,アステカ征服に向かうH.コルテスによって住民の大虐殺と都市の破壊がなされた。コルテスは当時の家屋数を2万と記録しているが,1931年以降の発掘で当時の全貌が明らかになりつつある。高さ54m,広さ6haに達するテパナパ大ピラミッドをはじめ数多くの神殿が破壊され,その上にキリスト教教会が建てられたが,その数は365に達したと伝えられる。現在はプエブラ川支流チョルラ川流域のトウモロコシ,フリホル豆,小麦を産する肥沃な農牧業地帯の中心地で,同国有数の観光地でもある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョルラ」の意味・わかりやすい解説

チョルラ
Cholula

正式名称はチョルラデリバダビア Cholula de Rivadabia。メキシコ中部,プエブラ州南西部の都市。メキシコ市の東南東約 100km,メキシコ高原南東部にあり,標高約 2150m。メキシコ初期古典期 (100~600) にさかのぼり後期古典期 (900~1200) に最盛期を迎えたインディオの文化が栄えた地で,多数の円塔をもつ聖堂があることで知られる。スペイン征服前には日干し煉瓦でできた巨大なピラミッド (高さ 54m,底面積 18ha) を中心に数百の神殿があったが,1519年 H.コルテスがアステカ帝国の首都テノチティトラン (現メキシコ市) へ進軍中市を破壊,のちそれぞれの神殿の上に現在の聖堂を建てたといわれる。ピラミッドの上にあったケツァルコアトル神殿もこのとき破壊され,代ってロスレメディオス聖堂が建てられている。現在宗教,観光の中心地として多くの巡礼や観光客が集るほか,周辺の農業地帯の商工業中心地として,穀物,マゲイ (リュウゼツランの一種で,その液からプルケと呼ばれる酒を醸造) ,果実,野菜,家畜などを集散,加工し,市内には酒造所,製粉所,織物工場などがある。人口2万 6748 (1980) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チョルラ」の意味・わかりやすい解説

チョルラ
ちょるら
Cholula

メキシコ中央高原、プエブラ州西部の古都。正称はチョルラ・デ・リバダビアCholula de Rivadavia。プエブラの西13キロメートル、標高2150メートルに位置する。人口1万7833(1978)。10~11世紀にトルテカ文明の中心地として繁栄したが、1519年スペインの征服者コルテスによって破壊され、住民は虐殺された。古代メキシコ最大といわれるピラミッドは土で覆われ、その頂上や周辺に多数の教会が建設された。現在はピラミッドの基部にトンネルが掘られ、内部の構造や壁画を見学できる。

[高木秀樹]

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世界大百科事典(旧版)内のチョルラの言及

【ピラミッド】より

…古代エジプトを代表する墓形式の一つ。方錐形の石造建築物で,王墓に用いられた(第3~第17王朝)。ギリシア語ピュラミスpyramisに由来するが,その語源については古代エジプト語の幾何学用語ペル・エム・ウスper‐em‐us(〈ウスからの垂直線〉の意),あるいは形が似たギリシアの菓子の名に基づくなど諸説があって確定できない。古代エジプト語名はメルmer。 ピラミッドの出現は,王墓独自の形式の創出によりファラオ(王)を頂点とした中央集権国家が確立したことを示している。…

※「チョルラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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