出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
… それに対し,現実の古典語・近代語をもととした国際語を作る考えがある。初め1879年にドイツのカトリック聖職者シュライヤーJ.M.Schleyerにより考えられたのが〈ボラピュークVolapük〉で,自然語よりは簡単であるが,それでも文法はかなり複雑である。10年ほどはかなり活発に運動が行われたがやがて衰えた。…
…各民族が伝統的に使用する既成言語(自然言語)に対し,新たな構想の下で人工的に創出される言語の総称。暗号術のような特殊な通信手段というよりも,思想や真理探究の方法にまで深くかかわった一種の文化改革であり,17世紀ヨーロッパにおいて本格的にその創造が開始された。この時期に人工言語が注目を浴びた背景には,(1)政治・宗教を巡る各国の抗争により,共通語として存続しえなくなったラテン語に代わる〈国際語universal language〉の必要性と,(2)あいまい性や非論理性を一掃しえない自然言語に代わり,哲学や科学の発展に寄与しうる論理的で精密な〈哲学的言語philosophical language〉の確立が叫ばれるに至った,ヨーロッパ文化全般の自閉的状況がある。…
※「ボラピューク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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