明か・清か(読み)さやか

精選版 日本国語大辞典 「明か・清か」の意味・読み・例文・類語

さや‐か【明か・清か】

〘形動〙 (「か」は接尾語)
① はっきりとしているさま。明るく清らかであるさま。あきらか。はっきり。明瞭(めいりょう)。まさやか。
万葉(8C後)二〇・四四七四「群鳥の朝立ち往にし君が上は左夜加爾(サヤカニ)聞きつ思ひしごとく」
源氏(1001‐14頃)絵合「月さしいでて、こなたはまださやかならねど」
② 音声が高く澄んでいるさま。さえてよく聞こえるさま。
書紀(720)応神三一年八月(北野本南北朝期訓)「天皇(すめらみこと)、異(あやし)むて琴(こと)に作(つく)らしむ。其(そ)の音(こえ)鏗鏘(サヤカ)にして遠(とを)く聆(きこ)ゆ」
③ さわやかなさま。爽快であるさま。《季・秋》
※類従本讚岐典侍(1108頃)下「流の水をむすび、さやかになり、親しく馴れつかうまつる主(しう)とならせ給へば」
[補注]「か」を下接することによって、情態性が確かとなり、「さやに」にとってかわった。成立方法が同じ語として、タシニ━タシカニ、ユタニ━ユタカニがある。

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