無準師範(ぶじゅんしはん)(読み)ぶじゅんしはん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

無準師範(ぶじゅんしはん)
ぶじゅんしはん
(1178―1249)

中国、南宋(なんそう)代の臨済(りんざい)宗の僧。「むじゅんしばん」とも読む。号は無準、賜号は仏鑑禅師(ぶっかんぜんじ)。剣閣(けんかく)(四川(しせん)省)の出身。9歳で出家し、1195年成都で大悟の体験をした。のちに育王寺(いくおうじ)の仏照徳光(ぶっしょうとっこう)(1121―1203)に参じ、また霊隠寺(りんにんじ)の破菴祖先(はあんそせん)(1136―1211)に師事して悟りを得、破菴の法を嗣(つ)いだ。のち明州(みんしゅう)(浙江(せっこう)省)清凉寺(せいりょうじ)、焦山(しょうざん)、雪竇山(せっちょうざん)、育王山などに歴住し、詔(みことのり)により径山(きんざん)に住した。理宗(りそう)(在位1224~1264)との問答は有名である。弟子に雪巌祖欽(せつがんそきん)、無学祖元(むがくそげん)や、日本から入宋(にっそう)した円爾(えんに)などがいる。著述には『仏鑑禅師語録』5巻がある。

[椎名宏雄 2017年4月18日]

『『大宋径山仏鑑無準禅師』(『福島俊翁著作集 第2巻』所収・1974・木耳社)』

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