総別・惣別(読み)そうべつ

精選版 日本国語大辞典 「総別・惣別」の意味・読み・例文・類語

そう‐べつ【総別・惣別】

[1] 〘名〙 (「総」「惣」は一般的なこと、「別」は個別的なことの意)
① 一般的なことと個別的なこと。すなわち、あらゆること。すべてのもの。
※本朝文粋(1060頃)一〇・於天台山円明房月前閑談詩序〈大江以言〉「当知今日綴属之文。定為後日摠之記
平家(13C前)三「世間落居せぬさまに成行事、惣別につけて歎きおぼしめせ共」
② おおまかなことと、こまかなこと。まとめることと、わけること。一般的なことと、特別なこと。
随筆・遠碧軒記(1675)下「惣別の字も二つあり、惣(すべ)てと別となり、通称別称の心なり」 〔十不二門〕
[2] 〘副〙 総じて。概して。およそ。だいたい。
上杉家文書‐(年未詳)(16C前)一〇月二三日・五十嵐惟秀申状「人め内めいわく申およばず候、そうへつ、くくすいろいろそれがしのまへ申あげられ候由」
※虎明本狂言・目近籠骨(室町末‐近世初)「さうであらう、そうべつそのやうなやつじゃ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報