大江以言(読み)おおえのもちとき

改訂新版 世界大百科事典 「大江以言」の意味・わかりやすい解説

大江以言 (おおえのもちとき)
生没年:955-1010(天暦9-寛弘7)

平安時代一条朝の文人。江以言ともいう。大江音人(おとんど)の子千古の孫にあたる大隅守仲宣の子。当代を代表する大江匡衡とはまたいとこである。学問藤原篤茂(あつしげ)に受け,長保・寛弘の間に文章博士に任ぜられ,式部権大輔を兼ね,従四位下に至る。詩文に長じ,《本朝文粋(ほんちようもんずい)》や《本朝麗藻》等に出ているが,一条朝詩壇の一面を見せる《本朝麗藻》の入集数は群を抜いている。
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関連語 川口

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大江以言」の解説

大江以言 おおえの-もちとき

955-1010 平安時代中期の官吏,漢詩人。
天暦(てんりゃく)9年生まれ。大江仲宣の子。一時弓削氏を称した。藤原篤茂(あつしげ)にまなび,文章(もんじょう)博士,式部権大輔(ごんのたいふ)をへて従四位下にすすむ。詩文にすぐれ作品は「本朝文粋」「本朝麗藻」などにおさめられている。寛弘(かんこう)7年7月24日死去。56歳。名は「ゆきとき」「よしとき」ともよむ。

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世界大百科事典(旧版)内の大江以言の言及

【本朝文粋】より

…王朝妖艶美の極致を示す。紀長谷雄《白箸翁詩序》(巻九)や大江以言(もちとき)《見遊女詩序》(巻九)は庶民的世界をとらえた特異な作品。巻十二は詞,行,文,讃,論,銘,記,伝,牒,祝,起請,奉行,禁制,怠状,落書などありとあらゆる文体が百貨店のように並ぶ模範文体展示の巻。…

※「大江以言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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