《正札附》(読み)しょうふだつき

世界大百科事典(旧版)内の《正札附》の言及

【草摺引】より

…発生は古く,江戸歌舞伎の初春狂言として〈曾我物語〉に材をとる慣習が式例化すると,数多の同類作品が生じた。しかし現在もなお《草摺引》と称して上演されているのは,1787年(天明7)正月江戸桐座初演,長唄《菊寿の草摺(きくじゆのくさずり)》(通称《勢い》,1世杵屋正次郎作曲)と,1814年(文化11)正月江戸森田座初演,長唄《正札附根元草摺引(しようふだつきこんげんくさずりびき)》(通称《正札附》,4世杵屋六三郎作曲)の2作だけ。前者は荒事芸の手ほどきとして,舞踊修業の初歩段階に教えられ,舞台でも相応に子供が上演。…

【正札】より

…越後屋では商品に符丁を記した紙片を付していたが,正札による売価表示も同店がはじめたものかどうかは定かではない。この言葉は明和(1764‐72)ごろから見られるが,やがて〈正札附〉という言葉が流行したらしく,唐来参和(とうらいさんな)作の黄表紙《正札附息質(むすこかたぎ)》(1787)や,歌舞伎舞踊の《正札附根元草摺引(こんげんくさずりびき)》(1814初演)が書かれ,後者は《正札附》と通称されて人気を集めた。【鈴木 晋一】。…

※「《正札附》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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