アセチレンブラック

化学辞典 第2版 「アセチレンブラック」の解説

アセチレンブラック
アセチレンブラック
acetylene black

略称AB.カーボンブラックの一種.カルシウムカーバイド法,あるいはナフサクラッキングの際の副生ガスから分解精製された純度99% 以上のアセチレンの連続熱分解法で製造する.2~3 nm の芳香族平面分子が積層集合して一次粒子を形成し,一次粒子が数珠状につながったストラクチャーとよばれるカーボンブラックの鎖状構造の二次粒子を形成している.鎖状構造が発達しているため,ほかのカーボンブラックよりも導電性や吸液性がすぐれ比重が軽い.用途は,ゴム用補強剤,顔料,電池用導電材,電極添加剤などである.[CAS 1333-86-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアセチレンブラックの言及

【アセチレン】より

…この分解反応は発熱反応であるので,これを利用して,アセチレンからカーボンブラックを製造することができる。このカーボンブラックはアセチレンブラックacetylene blackとも呼ばれ,電池用導電材などに用いられる。
[製法]
 (1)カーバイド法 カーバイドCaC2に水を加えると,次式によりアセチレンが発生する。…

【カーボンブラック】より

…表面のミクロ的な状態も単なる炭素の微粒とは相違しており,粒子表面には酸性の官能基やその他の官能基が存在するため,ゴム用補強剤など工業的に特殊な用途がある。原料に用いられる炭化水素は,天然ガス,石炭ガス,アセチレンガス,石油系重質油,石油,クレオソート油,ナフタレン,アントラセンなどで,原料によって,ガスブラック,オイルブラック,アセチレンブラックなどと呼び分けられることもある。90%以上が各種ゴム用補強剤(うちタイヤ用が約80%)として用いられ,またプラスチック用補強性充てん剤,印刷インキ,塗料,電線・電らん,乾電池のほか,カーボン紙,墨,絵具,鉛筆,クレヨン,触媒担体,花火,融雪剤などに広く用いられる。…

※「アセチレンブラック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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