比重(読み)ひじゅう

日本大百科全書(ニッポニカ)「比重」の解説

比重
ひじゅう

各物質の質量が、それと同じ体積をもつ標準の物質の質量の何倍であるかを示した数値。厳密には、質量はある一定の力の下での慣性を測ることによって決められるが、普通は、同じ場所での重さの比で決められているので、比重と名づけられている。通常、液体や固体は、4℃の水1立方センチメートルが1グラムであるとして、これを標準とする。実際には、4℃の水の密度は0.999973g/cm3であるので、比重の0.999973倍がCGS単位で表した密度に等しいが、実用上その差は無視して差し支えない。気体の場合は、0℃、1気圧下での空気を標準にとることが多い。

[池内 了]

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精選版 日本国語大辞典「比重」の解説

ひ‐じゅう ‥ヂュウ【比重】

〘名〙
① ある物質の質量と、それと同体積の標準の物質の質量との比。ふつう固体・液体の場合は摂氏四度の水を、気体の場合は摂氏零度で一気圧、すなわち標準状態での空気または酸素・水素を標準とする。
※物理全志(1875‐76)〈宇田川準一訳〉四「液計(ハイドロメトル)を用ゐるときは能く液体の比重を知り得可し」
② 他のものと比べたときの重点の置き方の程度。また、その重要度。ウエート。
※志賀直哉論(1953)〈中村光夫〉暗夜行路「ここにも彼の精神における生活と芸術との比重が現われているので」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「比重」の解説

比重
ひじゅう
specific gravity

ある物質の質量と,それと同じ体積を占める標準物質の質量との比。通常は,4℃の水を標準にする。同じ場所ではかれば,物質の質量の比でなく,重さの比をとってもよい。一様な物質であれば,密度の比でもある。4℃の水は体積 1cm3の質量がほぼ 1gでその密度は 0.99973g/cm3≒1g/cm3であるから,CGS単位系では多くの場合,比重と密度の値は実用上同じと考えてもよい。

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化学辞典 第2版「比重」の解説

比重
ヒジュウ
specific gravity

ある温度におけるある物質の密度と標準物質の密度との比.記号.液体の場合,標準物質としては通常4 ℃ の水(密度ρ = 0.999973 g cm-3)をとる.気体の場合は0 ℃,1 atm の空気を標準物質に選ぶことが多い.[別用語参照]相対密度

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百科事典マイペディア「比重」の解説

比重【ひじゅう】

物体の質量と,それと同体積のある標準物質の質量との比。ふつう,標準物質として,固体や液体の場合は4℃の水をとり(このときは比重の値はSI単位の密度の数値にほぼ等しい),気体では0℃,1気圧の空気をとる。→比重計

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デジタル大辞泉「比重」の解説

ひ‐じゅう〔‐ヂユウ〕【比重】

ある物質の質量と、それと同体積をもつ標準物質の質量との比。通常、セ氏4度の水を標準物質とする。
他と比べての、重点を置く度合い。また、占める大きさの度合い。「予算に占める人件費の比重が大きくなる」

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世界大百科事典 第2版「比重」の解説

ひじゅう【比重 specific gravity】

一定体積を占める物質の質量を,同体積の標準物質(通常は4℃における水)の質量で割ったもの。密度は単位体積当りの質量であり,g/cm3という単位をもつが,比重は比であるために単位をもたない。4℃の水の密度は1g/cm3に非常に近い(0.999973g/cm3)ため,実用上は物質の比重の値と密度の値との差を無視しても支障はない。気体の比重の場合は,標準物質として0℃,1気圧の空気(ときには,水素または酸素など)をとる。

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