知恵蔵 の解説
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
フジテレビとアニメ企画制作会社のアニプレックス、A-1 Picturesの3社が10年12月に「ANOHANA PROJECT」をスタートさせて作り上げた完全オリジナルアニメーション作品。監督は長井龍雪、脚本は岡田麿里、キャラクターデザインは田中将賀が担当した。
ストーリーは、高校生になり距離ができてしまった幼なじみの男女5人(じんたん、ゆきあつ、あなる、ぽっぽ、つるこ)と、幽霊になって現れた亡き友「めんま」とが織りなす青春ファンタジー。若者たちの群像劇が埼玉県秩父市をモデルにした美しい風景と共に描かれ、大きな話題を呼んだ。また、秩父市には「聖地巡礼」として作品のファンが数多く訪れるようになり、地域と制作会社の協力によるイベントも行われた。
13年8月には、後日談とテレビアニメ版では触れられていなかったエピソードを加えて再編集した劇場版が公開され、約75万人を動員、興行収入10億円を超える大ヒットを記録。また、15年9月には、初の実写版となるテレビドラマ版が村上虹郎主演で放送された。
このほか、脚本を担当した岡田麿里による小説版が「ダ・ヴィンチ」(メディアファクトリー)の11年3月号から7月号に連載された。更に、マンガ家の泉光による作品が「ジャンプスクエア」(集英社)の12年5月号から13年5月号に連載され、コミックス全3巻が発売されている。
テレビアニメーション作品は11年に「第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門 審査委員会推薦作品」に選出。13年には劇場版も同部門に選ばれた。
(松岡 理絵 フリーランスライター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報