日本歴史地名大系 「あひこのむら」の解説 あひこのむらあひこのむら 千葉県:我孫子市我孫子村あひこのむら中世の郷村名で、相馬(そうま)御厨のうち。正和二年(一三一三)一二月二八日の尼しんねん譲状(肥後三池文書)に「しもつさのくにあひこのむら」とみえ、当村や上野・備後両国の計一五一町のうち二〇町を子息六郎に、他を女子あくり御前に譲与している。あくり(阿久里)御前は相馬胤綱から相馬御厨内黒崎(くろさき)郷を譲与されていた尼妙智の孫であるから、あひこむらも同郷内の村名と考えられる。その後の伝領過程は不明。「本土寺過去帳」には文明二年(一四七〇)七月「アヒコニテ」打たれた妙徳や、同五年一月に没した六郎次良法信、同一二年一一月「アヒコニテウタルル」秀陽還助四郎妙高が記載されるが、このほか文明期の記事には高城周防入道・高城彦四郎・高城和泉守とみえ、高城氏の進出がうかがえる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報