御厨(読み)みくりや

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

御厨
みくりや

栃木県南西部,足利市南部の一地区。旧町名。鎌倉時代には伊勢神宮御料地江戸時代日光例幣使街道宿場町として繁栄。鉄道開通後は物資集散地,足利機業の外縁部を形成した。いまは園芸農業が盛んで,大規模な染色工場もある。市最大規模の工業団地がある。

御厨
みくりや

古代,中世の神社の荘園である神領。厨とは元来台所で,神に供える神饌調理の屋舎をいったが,のちその材料を供給する土地を称した。伊勢神宮では各地の神宮神領を御厨,御園 (みその) と呼んだ。『神鳳抄』には数百ヵ所の御厨があげられている。賀茂御祖神社賀茂別雷神社にもあった。

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デジタル大辞泉の解説

み‐くり【×厨】

みくりや」の略。

み‐くりや【×厨】

神社の境内にあって、神饌(しんせん)を調理する建物。特に、伊勢神宮・賀茂神社についていう。御供所(ごくうしょ)。神饌所。
古代・中世、皇室や伊勢神宮・賀茂神社などへ神饌の料を献納するために設けられた所領

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百科事典マイペディアの解説

御厨【みくりや】

古代・中世の神領。元来天皇家および伊勢神宮・京都賀茂(かも)社等の大社に供膳(ぐぜん)・供祭(ぐさい)の魚介類を進納する集団(贄人(にえびと))やそのための河海(かかい)等,および彼らの居住地の呼称であった。しかし1069年の贅貢進制の改革などを経て,免田(めんでん)を主とする領域を示すようになり,田地寄進も増加して,平安時代末期までに多くは荘園化した。→供御人
→関連項目朝妻安濃津粟津橋本御厨宇野御厨大江御厨大庭御厨柏木御厨皇室領雀部荘寒河御厨勢多相馬御厨蘇原御厨中河御厨御薗和邇

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世界大百科事典 第2版の解説

みくりや【御厨】

古代・中世の皇室や伊勢神宮などの大神社に付属する,食料品調達にかかわる所領。平安時代末から鎌倉時代ごろには荘園とほとんど変わらないものとなったが,本来は荘園のような所領ではなく,厨は台所を意味し,むしろ供御(くご)物や神饌を調達するために,皇室や神社に所属した山民・海民集団の構成する機関とでもいうべき実態のものであった。御厨の名称は文献上では8世紀末ごろから見られるが,近江国筑摩(つかま∥ちくま)御厨のように天智天皇時代に建立されたという伝承をもつものもあり,実際にはもっと古くから存在していたと考えられる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

み‐くり【御厨】

〘名〙 「みくりや(御厨)」の略。〔神道名目類聚抄(1699)〕

み‐くりや【御厨】

〘名〙 (「み」は接頭語)
① 奈良時代以来、天皇の供御(くご)の魚貝・果物類を調進するために設置された所領。畿内、特に近江国に多い。はじめ大膳職に属したが、のち内膳司の管轄に移った。
※三代格‐四・延暦一九年(800)五月一五日「筑摩御厨長一人」
② 平安時代、蔵人所の所領。
※九条家本延喜式裏文書‐康保三年(966)五月三日・清胤王書状「右件黒作、如国定分已了、長嶋・仲河・小江・竈門四箇御厨持来已了」
③ 神饌をととのえる建物。神に供える食物を調理する所。
④ 特に、伊勢神宮の神饌を用意し、貢納物を収納する建物。〔皇太神宮儀式帳(804)〕
⑤ 転じて、平安時代以来、伊勢神宮に神饌を貢進する所領。伊勢・志摩両国内のほか東国にも数多く置かれた。伊勢神宮を本所とする荘園の性格をもつ。
※梁塵秘抄(1179頃)二「みくりやの最御崎、金剛浄土の連なごろ」
⑥ 賀茂神社の神饌貢進のために諸国に置かれた所領。
※百練抄‐寛治四年(1090)七月一三日「賀茂上下社被不輸田六百余町。為御供田。又分置御厨於諸国
⑦ 摂関家に食料として魚介類などを貢進する所領。
※九条家文書‐建長二年(1250)一一月・九条道家惣処分状「前摂政〈略〉家領〈略〉伊勢国山郷庄、富田御厨〈寄進所〉」

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世界大百科事典内の御厨の言及

【供祭人】より

…山城(京都府)の賀茂神社(上賀茂・下鴨両社)が各地に領有した御厨(みくりや)の住民で,漁猟に従事し,供祭物(神前への供物)としての魚類の貢進を任とした人々。1090年(寛治4)白河上皇が賀茂両社にそれぞれ不輸田600余町を寄進するとともに,御厨を諸国に分置したが,それ以前からのものも含め,両社は琵琶湖岸や瀬戸内海周辺に多くの御厨を領有した。…

【贄】より

…令制下では,品部として大膳職(のち内膳司)に属した雑供戸(贄戸ともいい,江人,鵜飼,網引など)や海部(あまべ)などが貢納するもの,諸国から国,郡,里(郷)単位を中心として貢納するものなど,多様な形態で貢納された。《延喜式》の内膳式では諸国貢進御贄(宮内式の諸国所進御贄にほぼ対応し,節料,旬料など御厨(みくりや)や畿内近国を中心とした貢納),年料(宮内式の諸国例貢御贄とほぼ対応する,大宰府を含む諸国からの貢納)として贄の細かい品目,数量,貢納期日などを指定している。しかし現実には,9世紀ごろから他の租税と同様に諸国からの貢納は停滞する傾向にあり,畿内を中心とする御厨からの貢納に依存する度合が強くなり,品部を解放された贄戸の系譜を引くもの以外の人々も含む贄人が採取貢納の中心となった。…

※「御厨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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