改訂新版 世界大百科事典 「アヤワスカ」の意味・わかりやすい解説
アヤワスカ
ayahuasca
南米アマゾンの原住民の間で,彼らの神話的世界を再現させその世界観の統一を増強させるために広く用いられている幻覚薬。キントラノオ科のつる性の植物,バニステリオプシス・カアピBanisteriopsis caapiおよびイネブリアンスB.inebriansの植物自身およびそれからつくられた煎出液をペルーのケチュア語でアヤワスカ(魂のつる)と呼ぶ。ただし,ペルーのパノ語ではラミrami,ブラジルではカアピcaapi,コロンビアではヤヘyagéと呼ばれる。煎出液は普通アヤワスカ単独でもちいられず,多くの場合アカネ科のプシコトリアPsychotoria属植物の葉が混ぜられる。この葉にはDMT(N,N-ジメチルトリプタミン)が含まれている。ほかにもさまざまの植物が加えられるが,ナス科のタバコ属,チョウセンアサガオ属,トウガラシ属などの植物が代表的。この幻覚薬の主成分はハルミン,ハルマリン,テトロヒドロハルミンである。
→幻覚薬
執筆者:吉田 集而
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