改訂新版 世界大百科事典 の解説
アーナンダバザール・パトリカー
Ānandabājār Patrikā
コルカタ(カルカッタ)で発行されているベンガル語日刊紙。ベンガル語読みはアノンドバジャル・ポトリカ。発行部数は37万6646部(1978)で,インド最大。1922年3月13日,民族運動におけるガンディー路線を支持・宣伝する目的で創刊された。創刊号の全紙面は,ある政府系英字紙が〈危険信号〉と警戒したように,赤インクで印刷されていた。販売部数は31年までに3000部(ベンガル語日刊紙中最大),35年4月には4万3350部に達し,インド最大の日刊紙となった。読者層はベンガル語で教育を受けた下層中間層を中心としたが,この層は第1次非協力運動期(1919-22)にはガンディー支持層であった。1930年代後半以降,この新聞は民族運動の達成度をめぐってガンディーを批判,S.C.ボースを支持するようになった。週刊誌《デーシュDeś》(1933-),英字日刊紙《ヒンドゥスターン・スタンダード》(1937-)の創刊を通じて多角経営に成功,《アムリタバザール・パトリカーAmrita Bazar Patrikā》系新聞企業と勢力を二分する,ベンガルの代表的日刊紙として今日に至っている。
執筆者:臼田 雅之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報