日本大百科全書(ニッポニカ) 「イヌノミ」の意味・わかりやすい解説
イヌノミ
いぬのみ / 犬蚤
dog flea
[学] Ctenocephalides canis
昆虫綱ノミ目(隠翅(いんし)目)ヒトノミ科に属する昆虫。体長は雄約2ミリメートル、雌約3ミリメートルで、世界各地に分布するが、アフリカおよびアジアの熱帯地域にはあまり多くない。イヌを主体に、ネコ、イタチ、キツネ、その他の食肉獣に寄生する。ヒトノミに似ているが、ほおと前胸後縁部に鋭くとがった棘歯(きょくし)の列(櫛(くし))をもつので容易に区別できる。ネコノミとは同属で、きわめてよく似ているが、前頭部がより丸みを帯びていることなどで区別できる。ときに大量に発生してヒトを刺すことがあり、衛生害虫としても重要である。
[阪口浩平]