インタレスト・カバレッジ(読み)いんたれすとかばれっじ(その他表記)interest coverage

知恵蔵 の解説

インタレスト・カバレッジ

支払利息など、企業が負っている支払い義務の重さの程度を表す指標。会社の経営分析を行う際には、短期支払能力(流動性)、長期的安定性(安全性)、利益の獲得状況(収益性)、伸び率(成長性)、事業の効率の良さ(生産性)などを見るための様々な指標(財務比率)がある。この中で、短期支払能力を見るには、流動比率(流動資産÷流動負債)、当座比率(当座資産÷流動負債)などが知られているが、いざ返済義務のある資金を返済しようとなると、より実際的には支払利息がその対象となる。一方その支払いに充てられるのは営業利益である。そこで、企業のいざという時の支払能力を表すものとして、会社が利息の何倍の利益を上げているかを示すインタレストカバレッジが、有効な指標とされている。その定義は、(営業利益+受取利息・配当金)÷(支払利息・割引料)。これが高いほど会社の短期支払能力は高いことになる。04年の製造業のインタレスト・カバレッジは17.74であり、02年の10.69から大きく向上している。

(小山明宏 学習院大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

インタレスト・カバレッジ
interest coverage

企業の利子収入および法人税控除前の利益が負債の利子支払額の何倍であるかを示す比率で,利子収入+法人税控除前利益/支払利子額で算定される。利子援護率ともいい,この値が大きいほど利息に対する支払い能力は大きく,また,企業は借り入れ余力を持っていると判定される。

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世界大百科事典(旧版)内のインタレスト・カバレッジの言及

【証券分析】より

…社債の場合には,社債発行企業の元利支払能力をみることが重要である。一般的にインタレスト・カバレッジと称される指標,すなわち金利支払に使われる金利支払前税引前利益が支払金利の何倍あるかを示すもので測定される。株式投資【三国 陽夫】。…

※「インタレスト・カバレッジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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