インドネシア美術(読み)インドネシアびじゅつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インドネシア美術」の意味・わかりやすい解説

インドネシア美術
インドネシアびじゅつ

インドネシアの文化は紀元前にまでさかのぼり,その早い時期には中国からの青銅器文化,紀元後になるとインド文化が流入した。7~11世紀頃スマトラ島シュリービジャヤ王国が繁栄し,仏教美術とヒンドゥー教美術が展開した。この美術はタイ,カンボジアにも影響を与えた。ジャワ島の文化は中部ジャワのディエン高原を中心に8世紀初め頃から始り,その後興起したシャイレーンドラ王朝により,スマトラ島の美術の影響を受けた美術が展開した。この時代の代表的なものとしてジョクジャカルタ周辺のボロブドゥールプランバナンなど,仏教,ヒンドゥー教の壮麗な建築や彫刻がみられる。 10世紀以後は中部から東部ジャワに文化の中心が移った。シンガサリモジョケルトの遺跡などが 15世紀までのものである。 15世紀以後にはイスラムの侵入でそれまで栄えた両宗教の美術は破壊され,文化の中心はジャワ島からバリ島に移り,その伝統が伝えられた。なおスラウェシ (セレベス) ,ボルネオ両島にも仏教,ヒンドゥー教などの彫刻が発見されている。その他ジャワ更紗 (バティック) などの染織工芸品も有名である。

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世界大百科事典(旧版)内のインドネシア美術の言及

【インドネシア】より

…それに対し,後者はヒンドゥー教の美術が主で,インドネシア独自の土着的な性格が顕著となる。この両時代を一般に〈古代インドネシア美術〉と称し,それ以降の美術はあまり注目されない。それは16世紀以降,イスラムが浸透したため,造形活動が弱まり,古代インドネシアの伝統美術がまったく衰退したからである。…

※「インドネシア美術」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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